絶対音感

2005年11月29日 読書
ISBN:4094030662 文庫 最相 葉月 小学館 2002/09 ¥690
「絶対音感」とは、ある音を聞いたときに、ほかの音と比べなくてもラやドといった音名が瞬時にわかる能力である。これがあると、一度曲を聴いただけで楽器を弾いたり楽譜に書いたりでき、小鳥のさえずりや救急車のサイレンの音程がわかったりもする。過去の偉大な音楽家のベートーベンやモーツァルトにはあったとされ、一般人に計り知れない能力として、天才音楽家の条件のように言われることが多い。
しかし、「そもそも曖昧であるはずの人間の感覚が“絶対”とは何なのか。そんな疑問と語感の強さに引かれ、翌日辞典を開いたその瞬間にはもう、その言葉のとらわれの身」となり、著者は絶対音感という神話を解き明かそうと試みる。五嶋みどり、千住真理子、矢野顕子、大西順子、笈田敏夫ら絶対音感をもつ音楽家を取材し、その特異な世界を紹介しつつ、脳科学や神経科学の専門家たちにあたって分析を試みる。音楽と科学の間を行き交いながら、絶対音感にも仮性と真性があるなど、「絶対音感=万能」という安易な幻想と誤解を一枚一枚引きはがしてゆく。

今まで絶対音感というのは先天的な、ごく一部の天才に与えられた超能力のようなものだとばかり思っていたが、実際には幼少期における訓練により身につく可能性のある後天的な能力である事を知って愕然とした。

決して生まれながらにして天から与えられた「ギフト」では無いものの、自我が芽生えた後で自主的に身につけようとしても不可能な才能。自然に身についてしまうという一部の例外はあるものの、多くの場合は親によって与えられる後天的な「天才」なのである。日常生活に支障をきたす等、マイナス面での障害が発生する可能性はあるにせよ、ある特定の分野へ進もうとした場合、これが圧倒的な武器となる事も多々あるのである。

人生の選択肢を広げる為にも、幼少期に音楽教育と語学教育をしておいたほうが良いのかしれない。

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