異界の扉が静かに開き始める。優れた歌を創ることが無上の名誉であり、人々が歌の呪力を恐れる不思議な町があった。その町で呪力を持つ歌を消すのが人形師「青猫屋」廉二郎の裏の仕事。ある日、48年前の歌仕合の勝敗の判定を依頼された彼は、消えた歌の探索の果てに摩訶不思議な事件に巻き込まれた―。夏の一夜の見せ物小屋は夢か現か幻か。いつとも知れぬ懐かしい日本で男を惑わす妖しい生き物たちの謎。第8回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作。

舞台演劇助手が書いただけあって、いかにも舞台向きの内容だ。これが演じられたなら面白いのかもしれないが、物語として読むと、筆者の脳内妄想が上手く描写されていないのか、恩田陸みたいに煙に巻いているだけなのか不明であるが、訳の判らない部分が多すぎでちっとも頭の中に入ってこない。

親が旅先で死んでしまい、青猫屋の跡継ぎとなった息子。一見するとただの人形師、しかしそれはカモフラージュであり、真の仕事は歌に出来た瘤を取り除く歌瘤士なのである。その青猫屋が摩訶不思議な事件に巻き込まれていくのだが、どこまで読んでも訳が判らないまま。最後はジャンプの打ち切りマンガみたいに意味不明で不条理な結末が用意されていた。

読んでいて物凄く苦痛。非常に面白くなかった。勘弁して下さい(笑)。
幻の生物が住み、不思議な力を持つヤンに「守られてきた南洋の孤島」。この島に待ち受けているのは、開発か自然保護か―現実社会が抱える問題を軽やかな文章と卓抜な発想で描き切る南の島の冒険物語!第10回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作。

第10回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作。

この賞を読む度に思うが、ハイレベルの作品が多い。芥川賞にノミネートされる前段階の各新人賞とはレベルが違い過ぎる件!

紛争が続くため、一般人が立ち入る事が許されない南洋の孤島イシャナイに、調査団の一員としてやって来た瞳子の物語。彼女が探すのは、その存在を誰も信じないようなダンボハナアルキ。つまり、鼻行類なので、元ネタを知っておいたほうが、より楽しめるかもしれない。

島には到着したものの、政府軍にがっつり囲まれた状態では、幻の動物を見つけるのは不可能だと思った瞳子は、夜中にテントから抜け出すのだが、ジャングルはゲリラの領域なので、ここから後の展開は容易く予想が出来てしまう。

ゲリラと行動を共にする羽目に陥ってしまった瞳子は、彼らの指導者ヤンと出会う。寝ている間も、ヤンが出てくる夢を見始めるのだが、そこは現実世界とは違うイシャナイだった。

戦争が始まらずに観光の島となっていたり、欧州系の大地主に支配される貧富の国だったり、核実験で現地住民が死にかけていたりする、三つの夢世界が現実世界と並んで、パラレルワールド的な展開を見せ始める。

読み進めるにつれ、次第に夢と現実の境界が曖昧になって行き、現実パートも現実とは異なるような気分になって来る。ページ数だけで考えたら、戦争中の現実世界が一番分量があるので、他は夢で1つだけが本物だと思いながら読んだのだが、最後の最後でよく分らなくなってしまった。ヤンよりも、主人公瞳子のほうが架空の人物っぽく思えてくる。
朱雀、青龍、白虎につづく玄武との出会い。四神がすべてそろい、ついに妖界への道を封印する時がきた。しかし、ふたたび夜鳴島をおとずれたルナたちの前に、強大な妖力をもつ人物が立ちはだかる。その人物がにぎる、あるひみつとは?激闘のはてに、いますべてのなぞが明かされる。さいごの戦いへ!人気シリーズ完結編。

いよいよシリーズ完結。とはいっても、第二部が待っているのだけど。

四神が揃い、妖界への道を封印するため、再び夜鳴島に向かうルナ。最後の戦いを前に、自分が育った星の子学園を訪れるのだが、こっそりと覗く先にはかつての友達が。そして、新入りのミクという子がいる(笑)。そういえば、レンという男の子も出たよね。執筆時期から考えると、ヴォーカロイドから取られているわけ無いのだが、ちょっと笑ってしまう。

夜鳴島に辿り着くと、封印に使う悠久の玉が消えていた! 限られた者にしか触れないはずのものが無くなったのは何故なのか。呼び寄せた筈なのに、青龍と玄武もなかなか現れない。代わりに陰陽師が現れて攻撃して来る。ラスボスだけあって、強すぎる。式神を使って、今までのボス・オンパレードみたいな事に。
さいごの四神、玄武をさがして、ルナたちがやってきたのは、太平洋に面した小さな島。そこでみやげもの屋を営む乙久さんは、なくしもののありかをいいあてる、ふしぎな力をもっていた。ひょっとすると、乙久さんは妖力のもち主なのだろうか?一方、探索のかいなく、玄武のいどころは依然としてわからないままだった。いよいよクライマックスへ!シリーズ第九弾。

最後の四神を探して、太平洋に面した小島に。ここでは、通常とは少し違う竜宮伝説が伝わっていた。

みやげ物屋のおばさんがルナには冷たい。しかも、妙な能力と黒い杖を持っていて、なんだか胡散臭い。玄武を探すうち、敵国の陰陽師が仕掛けた罠と対峙する事になるのだが、この島で過去に起こった悲劇や竜宮伝説とも絡んで来る。
朱雀、青龍のふたりをあいついで解放したルナたちは、三人目の四神をさがして、ふるい歴史をもつ街にやってきた。この街では、子どもたちが数時間だけ行方不明になるという神かくしのウワサが広がっていた。被害者のひとりとされるナツメの奇妙な行動はなにを意味するのか?そして三人目の四神はいったいどこに?圧倒的人気をほこるシリーズ第八弾。

次の四神を探して、また新たな町へ。子供たちが数時間だけ行方不明になるという噂が広まる町で、奇妙な行動を取る少年と出会う。少年ナツメを追って行くと、妖界に似た雰囲気がある場所にたどり着く。そこにいたのは、謎の存在……。というか、描写とイラストで、白虎である事がおもいっきりバレバレですが。

何者だったのかも分からなくなっている白虎は、自分を取り戻すため、ナツメ少年の命を使おうとする。
赤い花に封じこめられていた朱雀を解放して、ルナたちは次なる四神をさがす旅をつづけていた。やってきたのは坂の多い小さな町。嗅覚がさらにパワーアップしたスネリによれば、丘のかなたの山の頂きに、恐ろしい気配を感じるという。それは四神のものなのか?それとも、ふたたび妖怪が待ちうけているのか?シリーズ第七弾。

四神シリーズ? に突入して、朱雀の次に出て来るのは青龍。人が近寄れない秘境と化した伝説の留茅湖にまつわる伝説を知ったルナ達は、調査を始めるのだが、町でストレス性の難聴になってしまった少年と出会う。

青龍と何らかの関係があるらしい少年の名前がレンなのに反応して笑った。どうしても、ヴォーカロイドな人を連想してしまう。今回もバトルはあるけど、流血成分が激減して良かった。小学生が読む本だから、あまり血は出ないほうが良い。

あと、いつも通り、人間化したスネリはセクシーだった(笑)。
幻の生物が住み、不思議な力を持つヤンに「守られてきた南洋の孤島」。この島に待ち受けているのは、開発か自然保護か―現実社会が抱える問題を軽やかな文章と卓抜な発想で描き切る南の島の冒険物語!第10回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作。

第10回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作。

この賞を読む度に思うが、ハイレベルの作品が多い。芥川賞にノミネートされる前段階の各新人賞とはレベルが違い過ぎる件!

紛争が続くため、一般人が立ち入る事が許されない南洋の孤島イシャナイに、調査団の一員としてやって来た瞳子の物語。彼女が探すのは、その存在を誰も信じないようなダンボハナアルキ。つまり、鼻行類なので、元ネタを知っておいたほうが、より楽しめるかもしれない。

島には到着したものの、政府軍にがっつり囲まれた状態では、幻の動物を見つけるのは不可能だと思った瞳子は、夜中にテントから抜け出すのだが、ジャングルはゲリラの領域なので、ここから後の展開は容易く予想が出来てしまう。

ゲリラと行動を共にする羽目に陥ってしまった瞳子は、彼らの指導者ヤンと出会う。寝ている間も、ヤンが出てくる夢を見始めるのだが、そこは現実世界とは違うイシャナイだった。

戦争が始まらずに観光の島となっていたり、欧州系の大地主に支配される貧富の国だったり、核実験で現地住民が死にかけていたりする、三つの夢世界が現実世界と並んで、パラレルワールド的な展開を見せ始める。

読み進めるにつれ、次第に夢と現実の境界が曖昧になって行き、現実パートも現実とは異なるような気分になって来る。ページ数だけで考えたら、戦争中の現実世界が一番分量があるので、他は夢で1つだけが本物だと思いながら読んだのだが、最後の最後でよく分らなくなってしまった。ヤンよりも、主人公瞳子のほうが架空の人物っぽく思えてくる。
ふたごの弟タイとの激闘の末、タイを妖界へ送りかえしたルナは、みずからも深い傷を負い、生死の間をさまよっていた。そのころ、山奥のある村では、村人たちが奇妙な病いにおかされる事件があいついでいた。新たな妖怪の出現なのか?!眠りからさめたルナ、スネリ、もっけはふたたび冒険の旅にでることになった。物語はいよいよ第二幕へ!シリーズ第六弾。小学校中・高学年向。

前作で死亡フラグ立ちまくりだったから、どうするのかと思ったけど、一部のキャラがパワーアップしたね(笑)。

黒幕の正体が全く見えぬまま、新展開となる。元素の次は四聖獣? 謎の奇病に襲われている村を救いに来たルナは、暴走する花の精と対峙するのだが……。それの正体は花の精じゃなくて、もっと別の存在だった。
 
 
キャラが増えたところで大変な事に気づく。
このシリーズ、図書館に全作揃ってないじゃないか!!
Orz
第5の舞台となる島で、ルナは都和子先生と再会する。都和子先生が明らかにしたルナの出生のひみつとは? 少年タイの正体は? 宿命の対決の幕が切って落とされた。

謎の少年の正体が、ようやく明かされる。そして、壮絶なバトルに! しかし、少年攫った黒幕がいるらしく、新たな伏線が!?

物語のターニング・ポイントとなっているのだが、今まで以上に何かと痛い展開に。そして、死亡フラグが立ちすぎ! 主人公も血塗れでズタボロじゃないか。最近のお子様は、こういう痛い話が好きなのかね?
学校の理科室から泣き声がきこえてくる夜には、町のどこかで、かならず火事がおこる。ルナたちがやってきた町には、そんなウワサが広がっていた。この奇怪なできごとのうらには、なにがあるのか?第四の玉をさがしもとめるルナの前に、強大な魔力をもつ新たな妖怪が出現してきた!人気沸騰中!書き下ろしシリーズ第四弾。

出てくる敵が、なんだか四元素に絡んでいるっぽくて、風→水→土となれば、今回はもう火を使う奴に決まっている訳で……。

町のあちこちで起こる不信な火事。事件には虐められっ子な少年が関わっていて、妖怪とシンクロしてパイロマニアのような力が! 何だ、燃やされていたのは虐めっ子の家か。それなら何の問題も無いから、もっと燃えれば良いのにな(をい!)。
なぞめいたチラシにみちびかれて、ルナたち三人がおとずれたのは、うつくしい海にかこまれた南の島、果南島。その島にある「魅惑の森」では、森に入ったままゆくえ不明になる事件があいついでいた。ルナの身にも危険がせまる。暗闇の迷路のなかで、新しい妖怪との戦いがはじまろうとしていた!人気上昇中!書き下ろしシリーズ第三弾。

物語が流れるように繋がっているのではなく、一作ごとにブツ切りにされた感じで舞台が変わっていくのが気になるのだが、今回はリゾート開発が進んだ南の小島。

自然が破壊されて行く事を危惧する化け物の仕業で行方不明事件が多発するのだが、遊びに来た観光客を襲っても仕方が無いと思うのだが。どうせヤルなら、資本家と言う名のラスボスを倒さないと、島への侵略を止める事は不可能だろう。まさか、このまま1億3000万全てを滅ぼすつもりだったのか? 

お子様向きの結末だとはいえ、優等生的な話の展開が予定調和すぎで胡散臭いなぁ。謎の少年と黒い犬の正体は、またしても明かされず。
妖力の封印が解けたルナは、最初の敵、妖怪かまちをたおした。次なる妖怪と悠久の玉を探してたどりついた港町には、水をあやつるふしぎな女の人がいた。ある日、友だちのユイとたずねた店で水晶玉の盗難事件がおきる。同じころ、もっけとスネリがゆくえ不明に…。ルナの第三の目がふたたびうずきだす!書き下ろしファンタジーシリーズ第二弾。

使い魔的な二匹と共に、妖怪退治の旅に出る事になったルナだが、小学生該当年齢で安アパートをどうやって借りたのか謎!? 白猫が人間に化けて、妖力で住民票を偽造するか大家をたらし込んだのか!? この猫は、美女なお姉さんに変身するからな(笑)。

1億円持っている無職の男が部屋を貸してもらえなかったという具体例を知っているだけに、身寄りの無い小学生女児が賃貸に住むのは無理な気がするのだけど。

今回の敵は、題名そのもので、前巻ほどの悪玉妖怪ではないのだが、町に伝わる伝説とも絡んで、悲しい結末に。今回も出血成分が多いのが微妙。黒い犬にも襲われるのだが、こちらは伏線を張ったまま、謎が明かされず次巻へ。
星の子学園でくらす竜堂ルナは小学三年生。赤んぼうの時、学園の門前におきざりにされていたのを、この学園の人に引き取られ育てられた。春休みのある晩、友だちのサエが何者かにつれさられるという事件がおきた。サエのゆくえをおっているうちに、ルナは自分の超能力に目ざめていく! 書き下ろしファンタジーシリーズ第一弾。

妖精ナビ・ルナかと思っていたけど、よく見たら“妖界”だった(笑)。大きく勘違いしていたので、表紙の子は妖精なのかと思っていたのだけど、自らも半妖怪で、内容が妖怪退治物じゃないか。表面が可愛くても、変なところに目がついているから萎えそう。

白い猫と梟が使い魔的に味方となるのだが、敵の攻撃で出血しまくりだから、結構エグイ。そして、小学生向きなので、ひらがなが多くて読み辛い……。主語が抜けている部分もあって混乱するのだが、お子様なら普通に理解出来る文章なのか?

母親が世界を超えられる程の力を持った妖怪姫で、父は陰陽師という、何その売れ筋な美味しいとこ取りな設定は! お勧めされる程の出来でもない気がするのだが、ゆとり教育の後遺症か、このレベルの作品じゃないと、今のお子様には……。
美少女仙人vs.最凶の刺客!?気ままな旅を続ける僕僕先生と王弁くんを、大唐帝国の闇で蠢く暗殺者集団「胡蝶」が追う―。必殺の吹き矢を操る劉欣が登場。笑いあり、サスペンスあり、涙ありの第3弾。

僕僕先生の第三弾。胡蝶と呼ばれる暗殺者集団から刺客が送り込まれ、命を狙われる僕僕だが、格が違いすぎるからか、危機感皆無。命を狙う劉欣の言動は、全てお見通しな様で……。

一行は南の方へ旅を続ける。皮だけ人間? な薄妃の恋の行方も絡めつつ、短編の連なりに見えて、実はひとつの大きな流れの中にいるような感じである。何故、僕僕先生が狙われるのか、背景が見えてこないまま終わってしまう。このまま第四弾に続くようである。
あふれくる魔法に、地球の子どもたちは覚醒した。大魔女の星ウールでは暗黒の獣グリダが目覚め、子どもたちと魔法対決を始める。そして、魔導師の星オリンフェンの隠された真実とは? 壮大なファンタジー完結編。

レイチェル第三弾で、これが完結編。魔女達を撃退したレイチェル達だったが、放たれた暗黒の獣グリダを支配出来る者がいなくなったため、ウールでは魔女達が壊滅、今度はグリダを統率するガルトラサッカにより、再び地球が危機に陥る。

不思議な力を持つイェミが連れ去られ、レイチェルと弟のエリックまでが囚われてしまう。ガルトラサッカは地球と魔導師の星オリンフェンを攻撃するためにグリダ軍団を差し向ける。

気持ち悪い生物や、風や雪みたいなので出来ている生物など、いろいろ出て来るのだが、描写不足で形態をイメージし難い。でも、これより後に書かれたシルバー・チャイルドよりは面白かった。
ますます強大な魔力を身につけるレイチェルを倒すため、遠い星から地球にきた魔女軍団との戦いが始まる。魔法の匂いが世界に満ちるとき、一体何が起こるのか。レイチェルのファンタスティック・アドベンチャー第2巻。

レイチェル第二弾。今回は地球が危機に陥る。敗れたドラグウェナの魂は、消えうせる前に祖国ウールへと舞い戻る。そこにいるのは魔女達を統べる大魔女ヒーブラ。ドラグウェナの母であった。ドラグウェナの妹カレンを含む五人の魔女は地球へと向かう。それだけではなく、魔術師達を他の星へおびき出すために、地下に封じ込められていた暗黒の獣グリダまで解放してしまう。

倒したら親が出てくる部分、ドラゴンボールでフリーザ倒したらコルド大王が出てきたシーンを思い出した(笑)。コルド大王みたいに簡単には倒せませんが。

地球には魔法に目覚めた子供達がいるとはいえ、相手は前回よりも強力で、しかも単体ではない。さらには、魔法を使える子をさらって、無理やり駒として鍛える。魔法に目覚めたハイキという少女が敵方となり、レイチェルに襲い掛かる。
降る雪さえ黒い、暗黒の星イスレア。ここでは邪な魔法がすべてを支配する。魔女がつくりだした邪悪な生きもの、さらわれてきた子どもの奴隷たち、あらゆるものにこめられた呪文…。はたしてレイチェルは、この星を救う伝説の「希望の子」なのか?異世界を舞台に、少女の冒険を壮大に描くファンタスティック・アドベンチャー。三部作の第一弾。

これより後に書かれた「シルバーチャイルド」がいまいちだったので、ちょっと様子見状態だったのだが、こっちのほうが随分と面白いじゃないか。

ある日、レイチェルは弟と共に壁の中から現れた何かに襲われ、別の星へと攫われてしまう。そこは恐ろしい魔女の女王が支配する、雪に閉ざされた世界イスレアだった。かつて地球で暴れまわった魔女ドラグゥエナは、ラープスケンジャに敗れイスレアに封印されたのだが、次第に力を取り戻して子供達を攫っていた。攫われた子は醜い生き物に変えられ、役立たずは捨てられ、飽きると殺されて行った。

そんな地獄のような世界で、レイチェルは伝説の“希望の子”とされ、戦いが始まる。普通の子だったのに、イスレアに来たらいきなり魔女に対抗出来る天才魔法少女に変化、ちょっとご都合主義。

ドラグウェナは魔女の星から地球へやって来て敗れ、イスレアに追放されたのだが、この設定だと、魔女はエイリアンって事か!? ファンタジーなのに、ちょっとSF入ってるなぁ。この魔女がかなり気色悪いのだが、「魔女の出てくるお話がいいな。すごく不気味な魔女。むちゃくちゃ気味が悪くて意地悪な魔女よ」という娘のリクエストに答えたためらしい。
サンダーライダーに乗り、帰路を急ぐフチ。道中、アグシュひきいるオークの群れにかこまれるが、現れた北の牧童との交渉の末、追いはらうことができた。つぎに立ちよったのは、イラムスの“トラモニカの風”だった。メリーアンを救いだしたフチは、その先の目的地へとサンダーライダーを走らせる。伝説のあの男が姿を現す。フチ・ネドバルの“魔法の秋”、ここに完結。

二度もドラゴンラージャを失い、自己を喪失する事に匹敵する悲しみで完全に狂ってしまったクラドメッサ。そこに現れたジゴレイド。拒否したクラドメッサの代わりにレニがジゴレイドを選択すれば、クラドメッサを止める事が出来る。果たして、レニの決断は!?

といった部分で前巻が終わっていたのだが、最終巻を読み始めると、いきなり主人公フチがキルシオン王子の名馬サンダーライダーに乗って一人旅をしている。あそこまで盛り上げておいどうなったのかと思ったら、全て終わってしまっており、フチは黒竜アムルタットに届ける身代金を故郷まで運ぶ途中なのだった。

何が起こったのかは、過去の回想シーンで語られるのだが、全貌は明らかにされない。判るのは、キルシオン王子が殺害された事、サンダーライダーはフチに、魔法剣プリムブレードはサンソンが受け継いだ事、反逆したハルシュタイル侯爵はまだ逃げているらしい事、ウンチャイ達が侯爵を追っている事、国家のためにカールが侯爵を反逆者ではなく英雄にしようと画策している事(これは恐らく、貴族全体を敵に回すのを避けるために、侯爵はウンチャイ達に倒させて、表向きは隣国との戦争で名誉の戦死を遂げたとでもするんだろうな。)などなど。

驚いたのは、フチが伯爵になっている! 蝋燭職人からいきなり伯爵か、凄い出世だな。ずっと伝説でしかなかった最強の魔術師ハンドレイクも登場するのだが、意外な人物が本人だった。

ラストでフチの村にデミ王女に匹敵する容姿をした謎の美女リタが現れるのだが、フチと会話をして去って行く。直後、黒竜アムルタットが西の空へと消えて行った。

最後、なんだか盛り上がらなかったな。人類の未来を危惧する様な、妙な思想を入っている感じだったし。ちょっと文章はゲーム感覚でアレだけど、シリーズ通してそれなりに面白かった。
クラドメッサのもとへむかう前夜。眠れずにいたフチは、剣を手に庭で体を動かしていた。レニもやってきて、その光景を見まもっていると、突然シオネが現れ、レニを連れさろうとした。フチは仲間を呼ぶが、シオネが攻撃をしかけてくる。絶体絶命の危機に、現れる巨大な影。トロールの聖職者エデリンだった。狂気のドラゴン、クラドメッサをめぐる人間種族の抗争劇。ついに決着。

クラドメッサを目前にして、敵側のドラゴンラージャとぶつかってしまう一行。しかし、護衛していたレッティのプリースト達は、王家そのものに反逆する気はなく、追いついてきた侯爵との間で、三勢力入り乱れて戦闘状態に。侯爵の卑怯な不意打ちで背後から撃たれて倒れるキルシオン王子。もはや侯爵も後戻り出来ないだろう。

乱戦の最中、なんとか抜け出した一行は、追っ手を防ぐために山を破壊しつつ、クラドメッサのところに。ようやく巡り逢えたクリムゾンドラゴンだが、レニはラージャとして拒否されてしまう。代わりに現れたネクソンを受け入れてしまうクラドメッサだが、吸血鬼シオネがすぐさまネクソンを殺害。再びドラゴンラージャを喪失するという異常事態に陥ったクラドメッサが狂い始める。
ついに親子の再会をはたしたエポーニンとハスラー。つかのまの幸福をかみしめるハスラーだが、ネクソンと手を組む反逆者である以上、その心境は複雑だった。いくら改心を要求しても、ハスラーの思いはゆるがない。理由をたずねると、ハスラーは静かに語りだした。「すべては“八つ星”と、ルトエリノの“魔法の秋”からはじまった」。300年の時空をこえた愛憎劇!そのときフチは、大魔術師になる―。

悪逆非道なハルシュタイル侯爵の陰謀により、反逆者ネクソンに組して戦うハスラー。その哀しい過去が明らかとなり、生き別れとなっていた娘エポーニンとの再会を果たす。復活目前となったクラドメッサを制御すべく、ドラゴンラージャの資質を求めて露骨に動き出す侯爵。もはやバイサス王家に対する叛意は明白である。

ハスラーによって、300年前に何が起こったのかを知る事になるフチ達。クライマックスに向けて、クラドメッサの眠る褐色山脈へ。

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