本当はちがうんだ日記
2006年1月6日 読書ISBN:4087747662 単行本 穂村 弘 集英社 2005/06 ¥1,470
最高にヘンで笑える恋愛&人生考察エッセイ。
人生はまだリハーサル。いつか素敵な自分になって誰かに丸ごと愛されるはず。そう思ううちに老眼の四十男に。「本番」は始まっていたのか!? 恋愛と人生にぐるぐる悩む臆病歌人の独白的エッセイ。
歌人? この人はあまり知らないのだけど、このエッセイが面白いという噂を耳にし、借りてみた。先日、三浦しをんを読んでしまったからだろうか、面白く感じてしまう。ダメ男が頑張らず肩肘張らず、でも気も抜かないまま(天然で抜けてはいるのだけども)淡々と人生を送る、その姿が良い! これは、人生が不遇なまま、もう取り返しのつかない地点まで来てしまった哀れな男にこそ似合う一冊だ。人生これからという若者が読んでも、共感は得られないかもしれない。
今はまだ人生のリハーサルだ。
本番じゃない。
そう思うことで、私は「今」のみじめさに耐えていた。
これはほんの下書きなんだ。
いつか本番が始まる。
そうしたら物凄い鮮やかな色を塗ってやる。
塗って塗って塗りまくる。
でも、本番っていつ始まるんだ?
これを読んで、人生のやるせなさに共感を覚えたら読むべし。
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