クビツリハイスクール―戯言遣いの弟子
2006年2月15日 読書ISBN:4061822675 新書 西尾 維新 講談社 2002/08 ¥819
新青春エンタ〈戯言(ざれごと)シリーズ〉!
首吊学園に殺戮の嵐!
「紫木一姫(ゆかりきいちひめ)って生徒を学園から救い出すのが、今回のあたしのお仕事」
「救い出すって……まるで学園がその娘を拘禁してるみたいな言い方ですね」
人類最強の請負人、哀川潤から舞い込んだ奇妙な依頼に従って私立澄百合(すみゆり)学園、またの名を《首吊高校(クビツリハイスクール)》に潜入した「ぼく」こと“戯言遣い・いーちゃん”は恐るべき殺戮の嵐に巻き込まれる――。
新青春エンタの真打ち、〈戯言シリーズ〉。維新を読まずに何を読む!
ちょっと雰囲気が前二作と違っている感じ。なんといっても語り部であるボク(戯言遣い)が超超超名門女子高の一学生を救出すべく、無理やりセーラー服姿で女子高内部へと潜入させられてしまうのですから。つまりは、女装! 続いて、戯言遣いを囮として自らも内部へと侵入した最強の赤までが、なんちゃって高校生に……。こっちは(イラストが)無理やりな風俗系コスプレに見えて仕方がない。
巻を追うごとに犠牲者の数が増えて行く気がするが、今回はぐ〜んとその数が上昇してしまっている。その割に死者数に対して気分が滅入らないのは、その人物が「向こう側」にいるからだろう。どこかで殺されただけの、誰だかわからない第三者(つまりは犠牲者が増えてもそれは記号にすぎない)。または最初から「敵」として登場しているが故に、殺されてもさほど衝撃を受けない。この点、身近な誰かが犠牲になった前二作よりも気分良く結末を迎える事が出来た。
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