ISBN:4163239103 単行本 古川 日出男 文藝春秋 2005/04/22 ¥1,800
1943年、日本軍が撤収したキスカ島。無人の島には4頭の軍用犬が残された。捨てられた事実を理解するイヌたち。やがて彼らが島を離れる日がきて-。それは大いなる「イヌによる現代史」の始まりだった!

第133回直木賞候補作。

ベルカという犬が主人公の物語かと思ったら全然違った。世界大戦末期からソビエト崩壊あたりまでの歴史を描いた犬歴史小説? どんどん犬が世代交代していくのだけど、過去のシーンと物語においての現代が交差する。現代部分は裏社会の抗争劇で、過去に遡る部分は犬達の物語。犬歴史の部分が、犬は語れないから説明口調になってしまい、なんだか「銀牙」の小説版を読まされている気分になる。文体がとっつきにくいし、重みのある文章の中にいきなり軽薄な文章が入ってくるのが気になるが、慣れてしまえば物語自体は壮大で迫力ある。好き嫌いが分かれそうな作品ではあるけれども。

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