ISBN:4087476952 文庫 乙一 集英社 2004/05 ¥620
突然の事故で記憶と左眼を失ってしまった女子高生の「私」。臓器移植手術で死者の眼球の提供を受けたのだが、やがてその左眼は様々な映像を脳裏に再生し始める。それは、眼が見てきた風景の「記憶」だった…。私は、その眼球の記憶に導かれて、提供者が生前に住んでいた町をめざして旅に出る。悪夢のような事件が待ちかまえていることも知らずに…。
本当は恐ろしいグリム童話って感じの、怖い逸話みたいなのが始まるのだけど、その話は本編ではない。でも、本編に絡む背景として重要な「鍵」となる。童話のほうは、目の見えない少女のために、カラスが人々を襲って目を集めるという、昔話にありそうな物語。本編が始まると、全然関係なさそうなので「あれ? このカラスの話はどうなったの!?」と思うのだけど、読み進めると……。
本編のほうは、片目を失った少女が移植手術を受け、自分のものではない記憶を見せられるというもの。自分の物でなかった頃に、その目が見た景色などが、移植されたほうの目にだけ見えてしまう。通常見えないモノが見えてしまうという設定だけならありがちなのだが、それだけでは終わらない。導入に使われている目玉を集めるカラスの話も絡んでくるし、ちょっと普通じゃない伏線の張り方で、別々の物語が……。
これ以上バラすと面白くなくなるので、気になった人は読んでみましょう♪ 内容的には「GOTH」程ではないものの、少し「ダーク乙一」入っているから、ちょっとグロい描写があるけど。常人ではない、怖い殺人鬼が出てきます。とは言っても、ただのキチガイじゃなくて……。
コメント
ホラー?なんですね?
とりあえずウチの話とは
内容かぶらないみたいで、
良かった良かった♪ (^^;)”