日本人の技術はどこから来たか(PHP新書031)
2006年5月14日 読書 コメント (2)ISBN:456955864X 単行本(ソフトカバー) 石井 威望 PHP研究所 1997/10 ¥690
日本は古来「わざの国・たくみの国」として一流の技術力を発揮してきた。その伝統的「わざ」の精神は、近代西洋技術をも消化して生き続け、現代のハイテクノロジーを底流で支えている。本書では、マルチメディア社会をリードする発言で注目される著者が、伊勢神宮・織田信長・本阿弥光悦…などの事物・人物を新しい時代を築いた「歴史的遺伝子」として取り上げ、日本人の技術思想のルーツを解き明かす。「変わらないもの(不易)」を縦糸に、「新しいもの(流行)」を横糸につづる壮大な「技術の歴史物語」。
単に大陸から導入された技術の歴史をなぞらえた本かと思いきや、全然違った。
ワシントン情報に見事に洗脳されたパペット達(あるいは或る意味、非国民)の仕業か、日本人は物真似ばかりだという固定観念が植え付けられてしまいがちだが、この国には欧米に盲従するだけではない、技術立国としての基盤が存在しているのだ。戦国時代には鉄砲こそ独力で発明するには至らなかったものの、それが伝来すると瞬く間に自らの技術として取り込んでいるし。
ただ、理系が優れていても、文系がヘナチョコなところに、この国の不幸があるような気がする。太平洋戦争前後の対処の拙さも、全てヘナチョコ達の仕業だしな。……私もヘナチョコ文系の末端ではあるのだが(笑)。
コメント
額田王や紫式部が浮かばれないと思うのですが。
世界に冠たるアニメ文化(技術?)もあるし〜?
今現在だって、現場の技術的な意見を無視して、何も判らない上層部が机の上だけで物事を進めてしまうという愚かな構図は変わっていない訳です。しかも、この国では結果に対して誰も責任を取ろうとしない……。