ISBN:4094056130 文庫 結城 伸夫 小学館 2004/07 ¥560
1997年、読者から寄せられた恐怖体験を配信する怪談系メールマガジン「逢魔が時物語」がスタート。以来7年、今や3万人の愛読者を抱える最大の人気サイトになった。本書は、著者の周囲の人々、全国の読者からサイトに寄せられた恐怖体験のなかからよりすぐりの話をセレクトし、自費出版、完売した「幻の書」に新たな体験記を加え、再構成したもの。
メールマガジンで配信されていたものを自費出版という形で纏め、さらにそれを焼き直して小学館から出版したもの。しかし、期待に反して怖くないし面白みにも欠ける。どうも、怖さのオチが無いような「新耳袋」のような話が多いのだ。また、都市伝説のような、作り話としか思えないものもある。思いっきりテケテケさんそのものな内容のまであるし。
どうも内容が中途半端なので、これに怖さを期待すると大きく裏切られる事でしょう。これ読むよりも、「あなたの知らない世界」でも観た方が100万倍涼しくなると思うよ。
レビューついでに、おいらがこの本より怖い話してあげるよ。
★以下、怖いのが苦手な人は読まないように★
これは、本当にあった話です。当時、私は京都に下宿していました。怨霊都市、京都……、何が出てもおかしくない場所ですね。幸いにも下宿先はいわくつき物件では無いので、普段は何事も無く生活していました。
だがある日、徒歩2分程のところにあるレンタルビデオ店にビデオを返しに行った帰り、すぐ後ろに人の気配を感じたのです。ピッタリと真後ろに。突き刺さるような視線を背中に感じて振り返ると、そこには誰もいませんでした。いや、正確には何かいました、多分……。1メートルと離れていないその場所に、絶対に見えない何かがいる!! 明らかに気配を感じる。が、何も見えない。見えないから気のせいだろうと思い、再び歩き出したのだが……。やはり、背後にピッタリと付いている何かがいる。これは相当に気色悪い。絶対に何かがいるはずなのに、後ろには誰も歩いていないのだ。
早歩きで部屋に戻り、電気つけまくり、テレビをつけてしばらく……。だんだん眠くなり、コタツでうつ伏せ状態で寝てしまいました。ふと気がつくと、部屋の中に何かいるではありませんか! しまった、鍵かけ忘れたかも、泥棒? 思わず焦りました。誰かがうつ伏せ状態でコタツに入り寝ている私を、頭上から見下ろしているのだから。やばい! でもとりあえず確認しようと起き上がると、いきなりその何かが急接近してきて身体の上に乗りました。身体の上にはコタツがあるので、生身の人間が乗ってくる事など不可能です。直後、10トンブロックでも乗せられたかのように、身動きが取れなくなってしまいました。
嘘だろ? 金縛りって20歳までにならなかったら、一生ならないって聞いたぞ。なってるじゃないか!! みなさん、気をつけましょう。20歳までに体験しなくても、金縛りに遭う可能性大です。その何かとの精神的格闘の末、何とか呪縛を逃れたのですが、そいつはまだ見下ろしています。というか、頭上に強烈な視線を感じます。やだなぁ、どうしようかなぁ。このまま起き上がって、血まみれの女の人とか見えたら洒落にならんぞ! と、しばらく迷っていると、そいつは壁の向こうに消えてしまいました。消える時に空気も動いたから、霊か何か知らんけど、質量を伴う存在かもしれません。
どうやら、ビデオ屋の帰りに何かが付いて来てしまったようですね。
それにしても、もしもあの時飛び起きたら、何が見えたんだろう。
謎……。いや、正体知りたくないし、謎のままでいいのけど。
ここで金縛りについての考察。
巷で説明されているものに、脳が起きたけど身体を動かす部分が起きていないから起こるという、科学的現象として捉えたものがありますね。残念ながら、このケースには当てはまりません。何故なら、途中までは身体が動いたからです。起きて何かがいると気づき、そいつを確認しようと身体を浮かせた途端(ちょうど、腕立て伏せのような状況)そいつが乗ってきて「むぎゅ!」って感じで床に押し付けられたからである。これはヤバイよ、一度体験してみないと、このヤバさはわからない。マジで押しつぶされて死ぬかと思った。これ、絶対に「本物」だろ?
まあ、オカルト否定派の為に、無理やりにでも科学的に説明するならば、私の仮説はこうですな。
その何物かは霊ではなくて宇宙人か未来人。光学迷彩のようなもので空間を屈折させ、私にはその姿が認知出来ないようにしているが存在感までは消す事が出来ない。何らかの調査の為に私を尾行し、室内まで侵入する。途中で私が彼? の存在に気づいたので、重力制御兵器により私の頭上に擬似重力空間を展開し、身動きを取れなくした後に宇宙船なり未来なりに転送装置で逃走。
やはり、科学的に説明するには無理があるよなぁ……。
じゃあ、そこにいたのは誰だよ?
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