銀の弦

2006年9月16日 SF特集
ISBN:4120037185 単行本 平谷 美樹 中央公論新社 2006/04 ¥2,310
渓流釣りに来た片倉は一瞬の目眩ののち、一緒に来たはずの上嶋を見失い、手首の生えた岩を発見する。その手首には上嶋と同じ傷が。そこへ持ち物までそっくりの「もう一人の自分」が現れた!混乱し、現場から逃走する片倉。携帯電話も機能しない。おれはこの世界に適合していないのか!?片倉に生じたゆがみが次々と広がっていく…。気鋭が描く幻惑の意欲作。

一週間の長期休暇を得て、渓流釣りに出かける主人公。だが、山中で意識を失い、気づくと一緒に来た仲間が岩と融合して死んでいる。直後、自分達のドッペルゲンガーと遭遇。正確には、自分がパラレルワールドに迷い込んだので、向こうが本物であり、自分自身こそが彼のドッペルゲンガーなのだが。自分がいた世界とほぼ同じでありながら微妙に異なる平行世界で行き場を失った彼は、この世界の自分自身に助けを求めるが攻撃され、反撃しているうちに自らを殺害してしまう。

これ、途中までは非常に良いのだが、後半になると無数に存在する弦世界が崩壊し始め、重なり融合しながら場面が転換しまくるので訳わからなくなってくる。この作者は、話を大きく広げすぎるのが特徴で、難しくなりすぎでついて行けなくなってくる。次々に変化し続ける世界に放り込まれて行く主人公。正確には、主人公自身が湾曲しつつ、本来は交差する事の無い平行世界を通過しまくる状態なのだが。もう最後のほう、本当に訳がわからないです。脳みそシェイクされまくり。

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