ISBN:406270580X 単行本 乙一 講談社 2006/05/31 ¥2,100
少年リンツの住む国で富豪の家から金貨や宝石が盗まれる事件が多発。現場に残されているカードに書かれていた“GODIVA”の文字は泥棒の名前として国民に定着した。その怪盗ゴディバに挑戦する探偵ロイズは子どもたちのヒーローだ。ある日リンツは、父の形見の聖書の中から古びた手書きの地図を見つける。その後、新聞記者見習いマルコリーニから、「“GODIVA”カードの裏には風車小屋の絵がえがかれている。」という極秘情報を教えてもらったリンツは、自分が持っている地図が怪盗ゴディバ事件の鍵をにぎるものだと確信する。地図の裏にも風車小屋が描かれていたのだ。リンツは「怪盗の情報に懸賞金!」を出すという探偵ロイズに知らせるべく手紙を出したが…。
児童書なので、従来の作品と比べてやや傾向が異なるが、やはり乙一は何を書かせても上手いと思う。ダークでもせつない系でもない、新境地といった感じだ。文字遊びというか、引っ掛けもあって、作者にしてやられる。アッサリ風味だが、なかなか心地良い。挿絵は不気味系だけどね(笑)。
怪盗ゴディバを追うヒーローであるはずの探偵ロイズが、実は……だったりして、一筋縄ではいかない。一連の事件に巻き込まれた少年が辿り着いた真実とは!?
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