ISBN:4163248501 単行本 絲山 秋子 文藝春秋 ¥1,000
「おまえさ、秘密ある?」住宅設備機器メーカーに入社して福岡支社に配属された同期の太っちゃんと女性総合職の私。深い信頼と友情が育っていく。そして太っちゃんの死。太っちゃんとの約束を果たすべく彼の部屋にしのびこむ。選考委員会で高い評価を得た第134回芥川賞受賞作。他1篇併録。
「勤労感謝の日」第131回芥川賞候補作。
「沖で待つ」第134回芥川賞受賞作。
セクハラ上司との諍いで無職になった36歳がお見合いするも、相手が見栄っ張りキモメンで、お見合いの途中で抜け出して飲みに出かけてしまう「勤労感謝の日」。
出てくる男、相当酷いよな。これじゃあ一流会社に勤めていても売れ残るは必定かと……。女のほうも男前な性格以外は、あんまり魅力的じゃないけど。飲みに行くために呼び出された元後輩の水谷さんのほうが好きだな。
予期できぬ不幸により死んでしまった同僚との密約に従い、家に侵入してPCのHDDを破壊する女を描いた「沖で待つ」。漁師の話か何かかと思ったら、全然違った(汗)。
みられたくないモノが入っているから、どちらかが死んでしまったらHDDを破壊しあおうと、お互いに協定を結んでいたところ、同僚のほうが自分より先に死んでしまうのだ。しかも、上から落ちてきた人にぶつかり、頭を打って死亡。様は、飛び降り自殺の巻き添えな訳ですが。最後のほうで同僚の幽霊が出てきて普通に会話しているのが非常にウソっぽい。まるで、ティム・バートン版「猿の惑星」を見たときのような気分だ。そのウソっぽい幽霊が全てを台無しにしている。個人的にはブーイング。
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