僕たちの終末

2006年10月11日 SF特集
ISBN:475841050X 単行本 機本 伸司 角川春樹事務所 ¥1,785
太陽の活動異常により絶滅の危機を迎えた人類。どうせみんな死んでしまうというのなら、ひと思いに宇宙船を作って飛び出してしまえ! しかし待ち受けていたのは、予想だにしなかった難問の数々で…。書き下ろしSF。

太陽活動が異常化した近未来。凶悪な太陽暴風の脅威が間近に迫る中、人類は終末を迎えようとしていた。シェルターやコロニーの建設は進んでいたものの、全人類を収容するには到底、その数が及ばず……。そんな中、地下に潜っても生き残れるか不明なので、いっその事、外宇宙まで逃げてしまえ! という科学者が現われて、移民宇宙船を建造するための行動に着手するのである。

だが、近未来ですから(確か2050年くらいだった)、対消滅やら縮退炉なんて夢物語な訳です。なんとか実用化したのは核融合技術くらい。しかもそれは、地上における発電施設として存在しているだけで、まだ誰も宇宙船の動力にしようなどと考え、実行した者などいないのだ。

絶対に無理だろうと思われるような状況から、資金集め、動力、加速方法、積荷総量、搭乗人数等が検討され、徐々に課題がクリアされていく。核パルス推進と、核融合推進と、核融合ラムジェット推進のどれが最適? とか、結構難しそうな内容がガンガン出てくるので、どちらかと言えば男性(男性脳)向き。こういう理論武装していく話って、受けつけない女性多いからなぁ。

7年もかけて、ようやく移民船が完成するのだが、独力での開発に失敗した米国が強奪しようと武力行使してくるし、コネで搭乗しようと目論む永田町の魑魅魍魎が暗躍するしで……。最後のほう、「やはり愚かな人類など太陽暴風で滅びてしまえ!!」と、ちょっと思いました。まぁ、一応は夢が途切れないような結末に落ち着きますが。

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