博士の愛した数式

2006年10月14日 読書
ISBN:410401303X 単行本 小川 洋子 新潮社 ¥1,575
家政婦として働く「私」は、ある春の日、年老いた元大学教師の家に派遣される。彼は優秀な数学者であったが、17年前に交通事故に遭い、それ以来、80分しか記憶を維持することができなくなったという。数字にしか興味を示さない彼とのコミュニケーションは、困難をきわめるものだった。しかし「私」の10歳になる息子との出会いをきっかけに、そのぎこちない関係に変化が訪れる。彼は、息子を笑顔で抱きしめると「ルート」と名づけ、「私」たちもいつしか彼を「博士」と呼ぶようになる。

これは巷で高い評価を得ているので気になっていたのだが、もうずーーーーーーーっと貸出中で借りられなかったのだ。周回遅れな気もするけど、ようやく読めました。文章も上手いし、すんなり読了。純文学っぽいのは苦手だから敬遠気味なのだが、これはアタリだった。

博士と家政婦と家政婦の息子、三人が織りなす物語。博士は非常に頭が良かったのだが、交通事故で記憶が80分しか保てなくなってしまったのだ。おそらく、短期記憶を司る海馬が損傷してしまったのだろう。ちょっと悲しい設定だが、あまり悲壮感は無い。むしろ、博士との数学問答? みたいなのが心地良い。幼少の頃にこの本が存在していれば、数学嫌いにならずに済んだかもしれない。

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

この日記について

日記内を検索