人喰い病

2006年11月14日 読書
ISBN:4894567679 文庫 石黒 達昌 角川春樹事務所 ¥567
どんな抗生物質も抗ウイルス剤も通用せず、数週間から二カ月間で確実に死に至る奇病「全身性皮膚潰瘍症」の正体に迫る表題作をはじめ、低体温症の女性とその一族の隠された謎を探る『雪女』など、最新の医学知識と遺伝子工学からつむぎ出された世にも不思議な物語。―鈴木光司『リング』『らせん』、瀬名秀明『パラサイト・イヴ』等の作品に大きな影響を与えた理系小説の旗手が贈る真実のサイエンス・フィクション。

雪女
低体温状態になる事によって、通常の寿命を超えて生きているらしい、記憶喪失の女。雪女伝説と特殊な症例(実在するかどうかは知らないけど)を掛け合わせた展開が見事。

人喰い病
ある寒村で正体不明の風土病が発生するが、被害者が多くないために注目もされず、関わった医師がその原因を追究していくというもの。全身に潰瘍が形成されて死に至るという恐ろしい病気なのだが、最初はウイルスによるものなのか、他の原因によるものなのかすら定かではない。だが、感染者(全員死亡)が増えるにつれ、ある共通点が浮かび上がってくるのだ。それは、戦時中に連れてこられた外国人労働者が埋められている人工の池……。呪いなのかと思ったけど、ホラーではなかった。終始一貫して医学面での恐怖しかないのだが、下手なホラーより怖いかもしれない。

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