ISBN:416771101X 文庫 奥田 英朗 文藝春秋 ¥500
「いらっしゃーい」。伊良部総合病院地下にある神経科を訪ねた患者たちは、甲高い声に迎えられる。色白で太ったその精神科医の名は伊良部一郎。そしてそこで待ち受ける前代未聞の体験。プール依存症、陰茎強直症、妄想癖…訪れる人々も変だが、治療する医者のほうがもっと変。こいつは利口か、馬鹿か?名医か、ヤブ医者か。 

第127回直木賞候補作。

なんでもっと早く読まなかったのだろう!! あっ、読みたくても誰かが借りていて無理だったんだ……。いやぁ、あちこちで絶賛されてはいたけれど、本当にこれは面白い! 「伊良部が良い味出している」とか、いろんな場所でコメントされているのは見たけれども、まさかこれほど強烈なキャラだとは思いもしなかった。ちょっと変な医者程度だろうと予想していたら、デブヲタマザコンキモメン医者だった。子供のまま大人になった35歳、しかも神経科の医学博士なのが笑える。患者もそれぞれ個性的にキティ入りかけな人々なのだが、伊良部には遠く及ばない。

各話は独立しており、なんらかの症状を抱えた人々が伊良部総合病院を訪れ、地下にいる伊良部一郎のところへ回されるのだ。地下にある神経科、デブヲタマザコンキモメン医学博士、やる気のなさそうなお色気看護婦、とても怪しげである。しかも、デブだろうとヲタだとうとマザコンだろうと、名医であれば問題無いのだが、伊良部ときたら、一見、何の役にも立っていないのである。というか、伊良部は治療していない。しかし、この電波っぽい医学博士と関わる事によって、患者は自力で治癒するのである。

伊良部、キモすぎて最高(笑)!!

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