ムジカ・マキーナ

2006年12月19日 読書
ISBN:4150306931 文庫 高野 史緒 早川書房 ¥840
1870年、理想の音楽を希求するベルンシュタイン公爵は、訪問先のウィーンで、音楽を絶対的な快楽に変える麻薬“魔笛”の流行を知る。その背後には、ある画期的な技術を売りにする舞踏場の存在があった。調査を開始した公爵は、やがて新進音楽家フランツらとともに、“魔笛”と“音楽機械=ムジカ・マキーナ”をめぐる謀略の渦中へ堕ちていく…虚実混淆の西欧史を舞台に究極の音楽を幻視したデビュー長編。

近代なのに音楽シーンでクラブDJとか録音機械とか出てくるし、話の中にソーホーやハリウッドも出てくるから、未来世界が過去に干渉しているという設定だとばかり思っていたら……。普仏戦争当時の歴史を背景に、SFだかファンタジーだかよくわからない味付けがされており、不思議な物語になっている。

第6回日本ファンタジーノベル大賞候補作。

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