パパとムスメの7日間
2007年2月23日 読書ISBN:4022502347 単行本 五十嵐 貴久 朝日新聞社 2006/10 ¥1,785
いまどきの高校生・小梅と、冴えないサラリーマンのパパ。ある日突然、二人の人格が入れ替わってしまったら? 「いつまで、こんなことが続くのだろう。(中略)あたしたちは二人揃って鏡に向かってお祈りした。明日の朝、目が覚めたら、お互いが元に戻っていますように」。ドキドキの青春あり、ハラハラの会社員人生あり。ハートウォーミングな家族愛を描いた笑いと涙のノンストップ・エンターテインメント長編!
典型的な入れ替わり物。
パパがムスメに、ムスメがパパに……。
口も聞かない程に親子関係が悪化してしまった家族。娘は今時の女子高生。父親は流されやすくて弱気な中堅サラリーマン。そんな二人が、電車事故がきっかけで、中身が入れ替わってしまうのだ。
病院で意識が戻れば、パパなのに見た目は女子高生に。娘は中年のオヤジに。これは傍から見れば面白いが、当事者には悲劇だろう。特に、16歳にして会社勤めのオッサンになるのは悲惨だ。逆はまだ許されそうな気がする。
アイディアとしては使い古されていて、目新しさは無いけれども、こういうの大好きです。読んでいて、変身願望を充足してくれるからだろうか。まぁ、女性(特に若い人)が読んでも、中年オヤジになりたいなんて願望は皆無だろうから、楽しくないかもしれないが。
娘の代わりに先輩とデートする事になったパパ。無論、外見は女子高生です。娘が男女交際するのは反対なので、嫌われるために策を巡らすも、全てが逆効果に。会社が気になりつつも、デートや試験に翻弄される、哀れな中年男性。くどいようですが、外見は女子高生です。
パパの代わりに大手化粧品会社の御前会議に出る事になった娘。無論、外見は中年男性です。女子高生をターゲットにした新商品なのに、大人の都合で上司の顔色ばかり伺い、消費者無視な状況にキレて暴走! 予定調和で消滅するハズだったプロジェクトが思いもよらぬ方向へ。
これ、通常の読者層以外も買っているだろ? コレを買った人はアレも買っていますとかいう紹介で、萌えラノベが出てくるし。結構面白かった。惜しむべくは、題名で入れ替わり期間がバレている点である。いつ戻れるか分からないドキドキ感と不安感が削がれてしまったのが悔やまれる。
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