黄金の門

2007年3月2日 SF特集
ISBN:4758410488 単行本 平谷 美樹 角川春樹事務所 2005/02 ¥1,995
終末の日。混沌の聖地(エルサレム)に救世主が現れ、その門は開くという…。「エリ・エリ」「レスレクティオ」でSF的発想を無限に駆使しながら「神とは何か?」を追究し続けてきた著者による3部作の完結篇!

日本を出て放浪する一人の若者が、東南アジアから中近東へ、ついには迷路のようになったエルサレムへ辿り着く。そこで発掘調査の仕事にありつくのだが、ある物を巡って、対立する勢力の抗争に巻き込まれていく。発掘現場で出会う不思議な少年の正体は救世主なのか!? 「エリ・エリ」「レスレクティオ」へと続く入り口にして完結編なのだけど、先の作品に比べて小さく纏まりすぎなのが残念。

著者が一貫して神は不在であるというスタンスを取り続けるのは、個人的には高評価。実際のところ、神が人間を創ったのではなく、人間が神を作ったのだからね。この世に神など存在しない。仮に世界の外に何かがいたとしても、2000億の恒星系が回転する島宇宙が何千億あるのか数えられない宇宙で、たかだか銀河系の辺境に住んでいる原始的な生命体の生き死になんて、いちいち関っていられないし、信者がゴミのように死んでいく現状を見る限り、存在しないのと同じ。

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

この日記について

日記内を検索