ISBN:412204443X 文庫 小川 洋子 中央公論新社 2004/11 ¥620
弟はいつでも、この完璧な土曜日の記憶の中にいる−−病に冒された弟との日々を描く表題作、海燕新人文学賞受賞のデビュー作「揚羽蝶が壊れる時」

第101回芥川賞候補作。

画像は文庫版だけど、実際に読んだのは単行本だから、二編しか入ってませんでした。今から単行本買う奇特な人はいないだろうから、読むなら四編入った文庫で良いと思います。それにしても、文庫のほうがたくさん入っていたり、完結編があったり、後日譚が追加されていたりと、何かと優遇されている場合が多い。二度買ってもらおうという魂胆なのか知らないけど、逆効果だと思うぞ。安くてお得なら、みんな文庫落ちするまで待つだろうに……。

暗い内容だが、文章から悲壮感は漂ってこないので重苦しく無い。基本的に純文学系統は苦手なのだが、小川洋子は文章が上手いからか、拒絶反応無く読める。よくある芥川賞系統の自慰行為的な文章遊びも無いし、雰囲気だけじゃなくて物語として味わえる。

文章は素晴らしいのだが、親が離婚して父が消え、母は銀行強盗に撃ち殺され、挙句の果てに弟まで病死してしまう話なので、ハッピーエンドには程遠い。なんか不幸すぎる。

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