コラプシウム

2007年3月26日 SF特集
ISBN:4150115540 文庫 嶋田 洋一 早川書房 2006/03 ¥1,050
「きみが捜査局長?」ブルーノは愕然とした。太陽をめぐるリング・コラプシターでの殺人現場の指揮をとるため現われたのは、左目にVRモノクルを付け、学校の制服のようなものを着た、まだ幼い少女だったからだ…マイクロ・ブラックホールをグリッド状に配置し安定させた超光速伝導物質コラプシウムの発明者ブルーノ・デ・トワジが、仲間とともに太陽系女王国で次々に起こる、コラプシウムがらみの難事件を解決する。

表紙がこんなのですから、萌えキャラが暴れまわる系統の、ダーティペアみたいな内容かと思われそうですが、全然違います。むしろ、かなりのハードSF小説である。表紙の女の子は脇役で、主人公はおじさんだった! むぅ……、表紙が女の子とおじさんでは売り上げ変わるかもしれないけど、ちょっと打算入りすぎなのではないか? ちなみに、表紙の娘ですが、幼く見えても王立警察の捜査局長というお偉いさんなのである。でも若干11歳(笑)。本当は大人だったのだが、宇宙船の事故で死んでしまい、大昔のバックアップしか残っていなかったから、再生させる時に11歳まで戻ってしまったのだ。
 
 
重力を制御する新技術が実用化された未来世界の物語。主人公は、太陽系の果てで自分専用の小惑星に住んでいる。星の王子様が住みそうな小さな星だが、人類最高の超大金持ちだから、重力をコントロールして地球と同じレベルの生活環境となっているのである。実はこの人、ニューブル質量ブラックホールから作られるコラプシウムを発明した科学者で、内惑星で危険な実験をすることが出来ないので、ひとりだけカイパーベルトに住んでいるのであった。そんな孤独な彼が、太陽系女王国(この物語においては、トンガ王国の女王がソル女王国の元首だという不思議な設定。どうやら、他の王室は全て滅びたらしい)の危機に立ち向かう事になる。事故によりコラプシウムが太陽に落ち始めたのだ。最初は単なる事故かと思われたのだが……。

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

この日記について

日記内を検索