サークル・オブ・マジック ブレスランドの平和
2007年4月10日 ファンタジー特集ISBN:409290343X 単行本 武者 圭子 小学館 2003/07 ¥1,890
第3巻はシリーズ完結篇ということもあり、いままでの巻で顔を見せた人物たちが、総登場します。魔法学校のルームメイトのゲイマー、邪悪な彫像をめぐって争った魔法使いバーナート他オールスター・キャストで物語は進行します。そして、ランドルはこの巻でも、従兄の騎士ウォルターや歌姫リースなどと力を合わせ、敢然と敵との闘いに臨みます。すべての巻を通じて、ランドルはつねに友人や仲間たちの協力を得ながら危機に対し、そして絶体絶命の窮地から自らの道を切り拓いていきます。「サークル・オブ・マジック」の「サークル」とは、もしかしたらこの友人や仲間たちのことを表しているのかもしれません。勇気と友情がひとりの立派な魔法使いを誕生させることでしょう。
一応、これが三部作(というか原書では六部作)完結編。本国での二作が邦訳一冊になるので。現在刊行されている四冊目は、完結後かなり経ってから追加されたもの。まだ読んでいないけど、「ゲド戦記」みたいに蛇足となっていない事を願う。
南の国から戦乱の続く故郷へと戻った一行は、またまたトラブルに巻き込まれる。男爵が攻略しようとする城に強力な魔術師がいたのだ。敵の正体を探ろうとするも、逆に囚われてしまうランドル達。敵は、かつて同じ部屋にいた性格劇悪のアイツだった! そして、秘密裏に暗殺されようとしている敵城主は、ランドルを虐めたアイツだった! さらに、ランドルの兄ウォルターを殺そうとしたのは、アイツだった! うーむ、次から次へと過去の伏線が露に……。
支配者不在で戦乱の続く中、エクター男爵軍とフェス卿、ティボー公爵連合軍が王位継承権のあるレディ・ブランチを巡って激突。男爵なのに、王位を狙うとは、かなり下克上な状況ですな。結局、敵魔法が不完全だったために、城内にいた者は全員……。
王位継承を拒否するレディ・ブランチ。そこへ現れたマードックは、妖精国に匿った真の王位継承者たる姫の話をする。ランドル一行は、姫を連れ戻す事に。うーむ、歌姫リースが実は姫だったりはしないんですね……。苦労の末、姫を連れ戻してみれば、今度はヒューゴ・デ・コーラルとかいうやつが王位を僭称している。そしてその陣営には最強の魔術師バーナートが……。
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