アイの物語

2007年4月14日 SF特集
ISBN:4048736213 単行本 山本 弘 角川書店 2006/06 ¥1,995
『神は沈黙せず』の著者がつむぐ“機械とヒトの千夜一夜物語”。
数百年後の未来、機械に支配された地上で出会ったひとりの青年と美しきアンドロイド。機械を憎む青年にアンドロイドが囁く、「物語から、この美しい世界は生まれたのよ」と。彼女が語り始めた、世界の本当の姿とは?

アイは愛じゃなくてAIだった。

機械の反乱によって人口が激減したとされる未来世界で、放浪する少年は機械の少女アイビスに囚われる。そこで少年はアイビスから様々な物語を聞かされる事になる。アンドロイドが語り出す未来世界のアラビアンナイト。少年は、全部で7つの物語を聞く事になるのだが、そのどれもがよく出来ていて、単品で使えるレベル。一見、何の関係も無い独立した物語であるが、全てのカードが出揃うラストで、その意味が明らかとなる。この物語は、入れ子構造式の短編集に見えるが、最後まで読み終えた時に出来上がるのは、単品ではバラバラで、全て揃うと最強の役となるローヤルストレートフラッシュなのであった。SF好きが反応しそうな小道具もふんだんに取り揃え、緻密な構成で見事な結末へと導いてくれました。

人類が生み出した、人類よりもあらゆる意味で優れた後継者に乾杯!

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