ISBN:4794962762 単行本 山越 幸江 晶文社 1996/09 ¥2,345
超高速や長時間飛行を可能にするためのエネルギーは?ニュートンやアインシュタインの法則はどうのりこえるか?映画やSFを材料に、やさしい比喩で相対性理論や素粒子物理をわかりやすく解きあかし、人類の果敢なチャレンジの歴史を語る。星間旅行への具体的なアプローチの術がわかる、宇宙の歩き方入門。

ただの夢物語ではなくて、理論と現実を駆使しながら説明する。ロケットでは時間がかかりすぎる。現在のロケット技術の応用では、最高速度を成し遂げたとしても、一番近いプロキシマ・ケンタウリまで9万5千年もかかってしまうらしい。NASAが研究している原子力宇宙船では? せいぜい火星あたりまで飛ばすのが限界だろう。

じゃあ、時間がかかってもいいからノアの箱舟方式で飛ばしては? 何世代もかかって、いきついた先に移民できる惑星が存在しなかったらどうなる? 途中で亜光速船が発明されて追い抜かされるという悲劇(喜劇)は?

ならば、未だ未完成の核融合ならどうだ? 核融合パルス式では無駄が多すぎる。核融合ラムジェット推進でも原材料集めが大変。しかも、速度が上がれば上がるほど重くなるという相対性理論の壁を前にしては、せいぜい光速の30%が限界。光速になるために、無限大の推進剤が必要となる。

対消滅ならどうだろうか? タキオンで光速を超えたら? ブラックホールで空間を超えて……。書いてある事の多くは夢物語にすぎない。しかし、物理学で可能性が明確に否定されている事以外は、理論上可能な事も多いのだ。人類にとっての夢物語が、必ずしも他の誰かにとっても夢だとは限らない。人には無理でも、きっとどこかで誰かが……。

コメント

kaj
kaj
2007年5月11日21:29

確かトップ2世界では第六世代型航宙(あくまでエーテル宇宙と言う仮想の上での「お話」でしたが)には、周囲の物理方程式を書き換えて縮退炉を生成する機能を持つ人型機械なんてな設定がありましたね♪

りーすりんぐ
りーすりんぐ
2007年5月13日4:03

SFでは縮退炉やワープエンジン等がバンバン登場しますが、理論上は可能でも猿に毛が生えた(あるいは毛が抜けた?)程度の愚かな二足歩行生物では成し得ないような気がする今日この頃です。縮退炉まで造れとは言わないから、せめて今世紀中に核融合までは行ってほしいものです。

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