ISBN:4840237743 単行本 有川 浩 メディアワークス 2007/02 ¥1,680
三冊目。ラストへ向けての勢いが出てきて、ハイテンション。どうやら次で完結らしい。売れたからと言ってダラダラと続けない潔さは良いのだが、ちょっと寂しい気もする。
王子様を卒業する事にした郁も少しずつ成長して、図書士長に昇進。昇進試験で、郁よりもエリートなはずの手塚が幼児相手に悪戦苦闘する羽目になるのが笑える。
ある人気芸能人が自分の生い立ちを本に綴ろうとした時、ある問題が発生。それは「床屋」という言葉。メディア良化委員会の検閲対象語であり、それを書き換えた出版社に芸能人が反発。図書館員の入れ知恵による妙手で対応する事にするのだが……。うーん、床屋って現実世界でも、放送禁止用語なんだな。誰だ、そんなものを禁止指定する馬鹿は!
続いては茨城県立図書館での攻防戦。事なかれ主義な無能館長のせいで、完全に骨抜きにされた防衛隊。内部でも軋轢が生じていて、読んでいて胃がムカつきます。組織って、出来た瞬間から腐敗していくものなのかねぇ。「無抵抗者の会」とかいう馬鹿どもの市民団体も現れて、不快指数倍増。それだけに、なおさら熱血馬鹿の郁が輝きます。
メディア良化委員会の前身となるであろう言論弾圧主義者達よ、この本は言葉狩りしなくてもいいのか?(笑)
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