ISBN:4048737139 単行本 川端 裕人 角川書店 2006/09 ¥1,470
ぼくの子どもがはじめて触れる死。それは、母親の死かもしれない。アスカとミライのふたりの子と暮らすぼく。子どもたちの母親である妻は、癌が再発し入院している。この世界に生と死があることを、子どもたちに伝えなければならない。ぼくたちを取り巻く、生きものを通して。

癌が再発して入院中の妻。幼い子供二人を抱えて日々を過ごす夫。粗筋だけ聞けば単なる病気物に思えるが、ちょっと違う。宇宙の変遷や生物の進化から、親子で生と死を考える父とミライ。幼すぎて訳もわからず踊っているだけのアスカはともかく、このミライというお子様がとてもお子様とは思えぬ知識量で……。会話文が生き生きとしており、躍動感溢れているのが良い。とても魅力的なお子様だ。

この家族の行く先に何が待っているのかは描かれていない。母親が助かるのか、いなくなってしまうのかも判らない。全体通して病気が絡んでくるのだが、某セカチューのように安易な設定ではないので不快感は覚えない。

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