アヒルと鴨のコインロッカー
2007年7月25日 読書ISBN:4488017002 単行本 伊坂 幸太郎 東京創元社 2003/11/20 ¥1,575
引っ越してきたアパートで出会ったのは、悪魔めいた印象の長身の青年。初対面だというのに、彼はいきなり「一緒に本屋を襲わないか」と持ちかけてきた。彼の標的は―たった一冊の広辞苑!?そんなおかしな話に乗る気などなかったのに、なぜか僕は決行の夜、モデルガンを手に書店の裏口に立ってしまったのだ!注目の気鋭が放つ清冽な傑作。第25回吉川英治文学新人賞受賞作。
大学入学直前の若者が、出会ったばかりの隣人河崎にそそのかされ、書店に押し入る手伝いをする破目に。金銭目当てではなくて、広辞苑を盗むという行動理由が判らない犯罪行為に加担する事になり、戸惑う若者。
全体像が見えてこないまま、物語は書店襲撃時の現在パートと、ペット虐殺事件が多発していた過去パートに分かれて物語が進行する。過去部分では、ペットショップに勤める琴美と、河崎、ブータンから来た外国人の三人が、ペット虐殺事件に巻き込まれて行く。やがて、犬や猫を虐殺してまわるキチガイな不良三人組と対峙する事を余儀なくされる琴美。
途中から、なんとなく物悲しい現在パートの結末が見えてしまうのは残念だが、隣人であるはずの河崎に意外な秘密が秘められているのが驚き! 広辞苑を盗みたがる河崎の真意とは……。
ちょと悲しい結末が待っていた。キチガイが全滅してくれたら良かったのだが。
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