ららのいた夏

2007年8月5日 読書
ISBN:4087474003 文庫 川上 健一 集英社 2002/01 ¥700
ふたりの出会いはマラソン大会で走っている最中だった。小杉純也はプロを目指す高校球児。坂本ららは走ることと笑うことが大好きな高校生。ららは、運動会から始まってロードレース、駅伝、フルマラソンと次々に記録を塗り変えてしまう。オリンピックすら視野に入って来た。純也もスカウトの目にとまって、プロ野球の選手としてデビューした。涼風のようなふたりの恋。青春長編ラブストーリー。

最初のほうは、古臭いドラマでも見ているようで気恥ずかしい感じだった。マラソンが始まってからは、走る事が大好きなららの圧倒的な強さが爽快になる。最初のマラソンでは実績が無いので最後尾からスタートするも、先頭集団に加わったのちトップ選手に話しかけまくり、首位を独走して応援に来た彼氏と立ち話、ゴール直前で、海で溺れている子供を助けるためにコースアウトして消えてしまう。次の駅伝ではアンカーとして下位から先頭を狙うも、走ってきた子供の自転車集団に衝突されて骨折、足を引き摺りながら大会閉会直前にビリでゴール。明らかに、主催者側の不祥事だと思われる事故だが……。

続いては初めて挑む長距離マラソン。今度は彼氏とマラソン・デートで記録達成。これで東京女子国際マラソンの出場資格を得る。そして、伝説となる本番、世界の強豪達と共に先頭集団に食らいついていくらら。だがゴール直前で……。

ありがちな最強伝説だが、きちんと練習しないのに強いというのはキラ・ヤマトもビックリなご都合主義。コーディネーターだったんですかね? いや、あの結末が待っているから違うな。彼氏のほうも、甲子園に行けなかったのに指名されていきなりプロ入り。一軍で大活躍なご都合主義。さらに、ヘタクソバンドマンだった同級生もヒットを飛ばし、ベストテン一位で歌うというご都合主義の嵐、嵐! 嵐っ!!

題名から容易く予想出来てしまうけど、最後には安易なお涙頂戴的悲劇が訪れる。やはりそう来たか……。最初から先が見えてしまうだけに泣けませぬ。うーん、確かにストーリーは面白かったけど、ご都合主義のフルコースなのはお腹が一杯でもう食べられません。

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