ISBN:4344010574 単行本 米村 圭伍 幻冬舎 2005/10 ¥1,575
時は寛政。老中・松平定信が緊縮財政に躍起の時代。ひょんなことから義賊の一味に加わった小蝶は、頭領の幻之介に率いられ、萩乃、桔梗とともに田沼一族の隠し金強奪計画を決行する。忍び込む先は…エッ、松平定信の下屋敷!?隠し金はなぜ定信の手元にある?幻之介の真のねらいは?三人娘誕生の鍵をにぎる「チャーリー」は誰?息をもつかせぬ展開とどんでん返しの連続。興奮度100%のネオ時代小説。

本を読み続けていると、本が本を呼ぶというか、全然関係が無さそうな二冊が、あるキーワードで引き寄せあっていたりする不思議現象が多々起こる訳で……。今回、チャーリーズ・エンジェル少年少女探偵団なアメリカ風ダメラノベに痛恨の一撃を喰らってしまった訳ですが、同時に借りてきたこの本も、チャーリーズ・エンジェル! こちらは大江戸版チャーリーズ・エンジェルなのであった。

田沼から松平定信に政治の中枢が変わった頃の江戸。田沼が利権の温床に仕上げてきた地区を取り潰すべく、幕府が介入して来る。小蝶がいた見世物小屋もなくなる事になり、役人に反抗した親方は縛り付けられたまま水中へ落とされてしまう。復讐を誓った小蝶は、松平定信を暗殺するのだが、殺した相手は影武者で……。

仇討ちに失敗した小蝶は、幻之介という謎の男に囚われるが、そこには後二人、侍ガールとキテレツ女がっ! かくして、軽業師、女武者、発明家の三人娘は田沼が不正で蓄財し、今は松平定信の下にある六万両を狙うのだった。しかし物語は二転三転して、思いもよらぬ方向へと進んでいく。

先に読んだ『キッズ・スタッフ』の影響で、かなり良作に見えてしまうが、時折本文に作者がしゃしゃり出てきて要らぬ薀蓄を垂れるのは、興醒めするから止めてほしい。

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