ISBN:4878923229 単行本 Robert F. Young 青心社 2006/12 ¥1,680
妖精を思わせる異性人と純朴な少年との心暖まる交流を描いた表題作「ピーナツバター作戦」。さまよえるオランダ人の伝説をモチーフに、宇宙をさまようパイロットと流転の美少女との、結ばれるべき愛の運命を描いた「われらが栄光の星」。未来の軍事国家で許されぬ恋に落ちた男女を描く「星に願いを」など。抒情性で根強い人気を誇るヤングが、心優しき愛をうたいあげたSF短編集。
SF界では結構有名なのに、あまりにも著作が少なすぎるヤングの短編集。本国でも少ないですが、日本では二作しか邦訳されてないっぽいですからね。この時期に出してくれた青心社に感謝。SFってあまり売れないから、ハヤカワと創元社くらいしか、本気でやってくれないんだよなぁ。難解で、頭に不自由していないクラスしかついていけないからか?
ヤング作品は一昔前、まだSFとファンタジーが未分化な頃に書かれたものなので、全然ハードSFではありません。SFとは言っても少し不思議系。表題作「ピーナツバター作戦」では妖精が出てくるし。厳密には妖精ではなくて、別の存在な訳ですが。妖精がピーナツバターを必要とする理由が……。そんなものでどうにかなるとは思わないけど、科学を全く無視したかのようにピーナツバターを欲しがるの設定が非常に良い。SFだけど、かなりファンタジーが入っている。
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