ひとり旅は楽し(中公新書1742)
2007年10月4日 読書ISBN:4121017420 新書 池内 紀 中央公論新社 2004/04/25 ¥756ひとり旅が自由気ままと思うのは早計というもの。ハードな旅の「お伴」は、厳選された品々でなければならない。旅の名人はみな、独自のスタイルをもっている。山下清の下駄や寅さんの革トランクにしても、愛用するには立派なワケがあるのだ。疲れにくい歩き方や良い宿を見つけるコツから、温泉を楽しむ秘訣、さらには土産選びのヒントまで、達人ならではのノウハウが満載。こころの準備ができたら、さあ旅に出かけよう。
題名に魅せられて……。ひとり旅って本当に楽しいと思う。どこへ、どのタイミングで行くか、行かないか、その決定権が全て自分にあるが故に、金銭的、時間的制約さえクリアすれば、思う存分に旅を楽しむ事が出来るからだ。誰かと一緒だと、自分の意のままにはならないから、どうしても不満が出てくる。
著者はかなりの旅名人に思えるが、それを鼻にかけず軽いエッセイか紀行文のようになっているのも良い。それにしても、「旅」とは特権階級にのみ許された最高の娯楽のひとつである。普通の会社に勤めたなら、まず旅に出られるような休みなんて貰えないからね。そんな事は無いだろうと思った方、貴方は優良企業に勤めているに相違ございません。弱き物の実態と現状を知らぬが故に出てくる世迷言……。リストラされ黒企業に転職して地獄を見ないためにも、せいぜい精進して下さいませ。
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