アビシニアン

2007年10月22日 読書
ISBN:4344000072 単行本 古川 日出男 幻冬舎 2000/06 ¥1,470
「あなたには痛みがある」そう言った彼女は字が読めなかった。ぼくは激痛の発作におびえながらも急いで書かなければならない。僕と彼女の愛についての文章を。気高く美しい者たちの恋愛小説。

表紙がこれだから、猫小説かと思ったら全然違った。

親に飼い猫を捨てられた少女は、自分がいた世界を捨てて生きる。生き延びていたアビシニアンと再会した少女は、野生化して聖域で猫と暮らす。第一部は冬を生き延びられなかった猫とともに終わる。

第二部で、身体の一部に不具合を持つ青年が登場する。彼は目に過度の光が入ると偏頭痛が起こり、視界にも影響が出るのだ。自らの境遇に絡んでいるかのような物語を作っているその青年は、ある店で不思議な少女に出会う。

第三部で語られるのは、猫の死から、姉となる女性に出会い拾われ、妹として店を手伝う事になる経緯。ここで、第一部と第二部の間にある空白が埋まる。恋愛小説として分類されているようだが、あまりそれっぽくない。

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