ISBN:4103049510 単行本 桜庭 一樹 新潮社 2007/06 ¥1,470
東京・山の手の伝統あるお嬢様学校、聖マリアナ学園。校内の異端者だけが集う「読書クラブ」には、長きにわたって語り継がれる秘密の〈クラブ誌〉があった。そこには学園史上抹消された数々の珍事件が、名もない女生徒たちによって脈々と記録され続けていた――。今もっとも注目の奇才が放つ、史上最強にアヴァンギャルドな“桜の園”の100年間。

題名とは裏腹に、青年どころか年齢問わず男なんてほとんど出てこない。物語の舞台となるのは、聖マリアナ学園という超お嬢様学校。当然、女子高である。連作短編なので、各話で登場人物も主人公も、語られる時代すら変わっていく。過去、この学園が作られる以前のフランスから、まだ訪れぬ未来まで、100年に亘る壮大な学園の物語。

聖マリアナ学園の正史からは抹消され、語られない黒歴史を、学園南にある旧校舎を根城とする異端者集団、読書クラブだけが極秘ノートに記している。各話で、それぞれの時代に起こった事件が語られ、最後に読書クラブの一人がそれをノートに記していく。

殺人事件が起こったりする訳ではなくて、封印された黒歴史のほとんどは些細な出来事に過ぎないのだが、筆者の力量で読ませる物語に仕上がっている。

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

この日記について

日記内を検索