あなたの呼吸が止まるまで
2007年11月12日 読書ISBN:4103020326 単行本 島本 理生 新潮社 2007/08 ¥1,575
十二歳の野宮朔は、舞踏家の父と二人暮らし。夢は、物語を書く人になること。一風変わった父の仲間たちとふれ合い、けっこう面倒な学校生活を切り抜けながら、一歩一歩、大人に近づいていく。そんな彼女を襲った、突然の暴力。そして少女が最後に選んだ、たった一つの復讐のかたち――。『ナラタージュ』から二年、新たな物語の扉が開く。
帯のキャッチの中に
一歩、一歩、大人に近づいていく彼女を襲った、突然の暴力
というのがあったから、また「ナラタージュ」みたいになるのかと一瞬怯んだ。
まあ、それらしい事は起こるけど、「ナラタージュ」程の無理やりっぽさは無い。その行為自体を肯定するつもりは無いけれども、問答無用で手加減無しでは無い分、まだ救いはある。それにしても、別にコレは無くても少女の内面は描けたのでは?
父子家庭で育つ、ちょっとファザコン気味の大人びた小学生が主人公。こんな大人っぽい小学生っているのだろうか? 主人公だけなら例外で済まされるけど、友人も言動が異様に大人びているしなぁ。最近のお子様はゆとり教育の弊害で頭がアレだから、もっともっとガキな気がするぞ。学校教師すらガキだらけになっているのに、小学生がここまで大人風味だと、ちょっと不気味である。
エピソードはともかく、今までで一番上手かった。力作扱いの「ナラタージュ」よりも進化したと思う。
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