ISBN:4488017266 単行本(ソフトカバー) 大崎 梢 東京創元社 2006/05/20 ¥1,575
「いいよんさんわん」―近所に住む老人に頼まれたという謎の探求書リスト。コミック『あさきゆめみし』を購入後、失踪した母の行方を探しに来た女性。配達したばかりの雑誌に挟まれていた盗撮写真…。駅ビル内の書店・成風堂を舞台に、しっかり者の書店員・杏子と、勘の良いアルバイト店員・多絵のコンビが、さまざまな謎に取り組んでいく。初の本格書店ミステリ、第一弾。
本屋に関わるミステリー。本屋内部視点で物語を紡ぐだけならば、書店員で書ける人なんていくらでもいるだろう。単なるミステリーならば、もういろんな人が書いている。しかし、本屋とミステリーを融合させた本書みたいなのは見た事がない。
中は連作短編。題名も上手いけど、どの話も本読みが反応するポイントを衝いて来る。最初にある、意味不明の暗号みたいなものをヒントに読みたい本を探す話からいきなりやられる。パンダまでは判ったけど、謎の言葉までは判らなかった。暗号だとばかり思っていたら……。
物語に深く関わってくる部分は創作された架空作品になっているが、実在する書籍も結構出て来るのが興味深い。それにしても、デビュー作からかなりハイクオリティなものを投入して来る。
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