イチゴ色禁区 3 春の禁区のその果てに
2008年1月31日 このライトノベルがすごい?ISBN:4044725039 文庫 神崎 リン 角川書店 2007/06 ¥580
玉城家が求める“完全なる平和”に疑問を抱いた正樹は、玉城の秘密を探るべく長の孫の美代を使い調査を進める。一方、正樹とケンカ中の従妹の亜美は、玉城の政略結婚に巻き込まれていた。強引な婚姻の阻止を図る正樹だが、毎夜見る“夢”に出てくる謎の男から「玉城のない平和な世界を創るため、禁区へ向かおう」と告げられ!?神の欺瞞と人の欺瞞―禁じられた平和の果てに再会する、亜美と正樹のイチゴミルク・デスティニー。
題名だけでなく、本からもイチゴっぽい匂いがする。きっと、前の持ち主が女子中学生か女子高生あたりだったに違いない(笑)。古本って、意外に前の人間のニオイが残っているからな。嗅覚鍛えてる人にしか判らないかもしれないけど。欲しい本を見つけても、臭くて断念する事もあるのが困りもの。
一冊目のサブタイトルが夏、二冊目で秋、三冊目が春……。夏→秋→春、冬が飛ばされているのは、三冊目で終りになってしまったからか!? あまり売れなくて打ち切りになったのだろうけど、後半急ぎ足で、あまり盛り上がらないままにシリーズが完結してしまった。まぁ、ちゃんと物語として終わらせただけでも、途中で放り投げるジャンプマンガより優れてはいるが。
本筋に関係ないツンデレなじゃれ合いでページを取りすぎなのが痛い。むしろ、徹底的にラブコメに徹してしまったほうが良かったのでは? 神官と巫女の話なのに、あまり妖怪変化や神の類とバトルが無かったので、中途半端な感じだ。
文章は暴走系独り語りに会話文を混ぜた感じで独特だから、クセがあって好き嫌い分かれそうだが、文章スカスカ系でなないので、物語の構成をよく練れば結構良い所までいけそうな気がする。このまま消えてしまわず、次回作で頑張って欲しいところ。
このラノベは、本からイチゴの匂いがした(笑)。
★★★
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