シリウスの道

2008年2月8日 読書
ISBN:4163240209 単行本 藤原 伊織 文藝春秋 2005/06/10 ¥1,800
東京の大手広告代理店の営業部副部長・辰村祐介は子供のころ大阪で育ち、明子、勝哉という二人の幼馴染がいた。この三人の間には、決して人には言えない、ある秘密があった。それは…。月日は流れ、三人は連絡をとりあうこともなく、別々の人生を歩んできた。しかし、今になって明子のもとに何者からか、あの秘密をもとにした脅迫状が届く!いったい誰の仕業なのか?離ればなれになった3人が25年前の「秘密」に操られ、吸い寄せられるように、運命の渦に巻き込まれる―。著者が知悉する広告業界の内幕を描きつつ展開する待望の最新長編ミステリー。

大手広告代理店に勤める辰村祐介の部署に回って来た巨額の案件。受注にこぎつけるために奮闘する部員だったが、別件でトラブルが発生したり、社内で足を引っ張ろうとする無能な派閥が暗躍したり、25年前に起こったある事件まで絡んでくる。

基本はビジネス小説になっており、他作品と比べると事件の重要度は比較的低め。藤原伊織作品は、いつもラストがハッピーエンドで終わらないのだが、これに関してはマシだった。ただ、有能な部下が一人去って行くのは残念だ。

それにしても、このチームには有能な人材が多い。仕事内容も充実していて楽しそうなのが羨ましい。どんな仕事でも楽しいというのは、やりがいのある仕事に運よくありつけた者の戯言にすぎない。社内で足を引っ張る輩はどこにでもいるものだが、こういう人物を重用する時点で組織は腐敗し始めている。敵の結末は語られていないが、是非、諭旨解雇になって欲しいところである。

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