有頂天家族

2008年2月14日 読書
ISBN:4344013840 単行本 森見 登美彦 幻冬舎 2007/09/25 ¥1,575
時は現代。下鴨神社糺ノ森には平安時代から続く狸の一族が暮らしていた。今は亡き父の威光消えゆくなか、下鴨四兄弟はある時は「腐れ大学生」、ある時は「虎」にと様々に化け、京都の街を縦横無尽に駆けめぐり、一族の誇りを保とうとしている。敵対する夷川家、半人間・半天狗の「弁天」、すっかり落ちぶれて出町柳に逼塞している天狗「赤玉先生」――。多様なキャラクターたちも魅力の、奇想天外そして時に切ない壮大な青春ファンタジー。

忘れた頃に、ようやく回って来た。図書館に予約を入れたは10月初め。毎月1人しか回ってないじゃないか。誰が止めるんだろうね。取り置き期間等を含めても、この回転の悪さはおかしい……。

京の町を舞台に暴れる狸、天狗、そして弁天。天狗の赤玉先生は、琵琶湖で見つけて攫ってきた弁天を弟子にするも、骨抜きにされてしまい、いまや落ちぶれ駄目天狗に。その原因となってしまった弟子の狸が主人公。まさか、主人公とその家族が狸だとは思いもしなかった。

人間でありながら、天狗の技を身につけ、今や天狗以上に天狗らしい美女弁天。金曜倶楽部の七福神に数えられ、弁天の称号まで貰い、忘年会では狸鍋だって食う。そして、半ば儀式となっている狸鍋で食われてしまったのは、主人公矢三郎の父。血族でありながら陰謀を張り巡らせ暗躍する夷川早雲の手にかかり、兄弟に危機が迫る。

人間だけど、人間らしからぬ弁天が素敵です。さすが森見登美彦。ラノベ作家みたいに貧弱なボキャブラリーで「美女」とか「美少女」の一点張りでゴリ押しする事なく、弁天の艶やかさを巧みに表現している。

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