ISBN:4101265348 文庫 米村 圭伍 新潮社 2004/09 ¥500
今日も江戸の上屋敷であくびをかみ殺していためだか姫。そこへ舞い込んだのは、夫である風見藩藩主・時羽直重が失踪、ついでに冷飯食い数人も消えたという大ニュース。姫が直ちに千石船を仕立て、お仙と海上を一路讃岐へ向かってみれば…。お城は六波羅景望なる謎の武士に牛耳られ、風見藩はまさに乗っ取り寸前。殿は何処へ。めだか姫は藩の危機を救えるのか。
退屈姫君の二作目を読む。米村ワールドも、さりげなく他作品とリンクしている。別の話に出てくるじゃじゃ馬姫は、退屈姫君の50年前の物話だった。未読だが、風流冷飯伝ともリンクしているらしい。
田沼の陰謀を見事に阻止した姫だったが、今度は参勤交代で江戸から領内へ戻っている殿が行方不明になったと聞かされて血が騒ぎ出す。大藩である実家に頼んで船を借りると、江戸から四国へ。
またしても田沼の陰謀かと思ったら、思いもよらない敵が相手だった。他の作品で朝廷隠密なんて奇抜な存在が出てきたが、それに負けず劣らず意表を衝かれた。藩を乗っ取ろうと画策する、怪しい力を持つ謎の美男。何故か天守閣で倒れていた、記憶喪失の美女。陰謀を挫く為に姫が思いついたのは、またもや奇想天外な反撃技。
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