ISBN:4101265356 文庫 米村 圭伍 新潮社 2005/09 ¥500
またもや退屈で死にそうだっためだか姫。今回の一大事は、小文五の将棋の弟弟子・拓磨の身分違いの恋。一介の冷飯が大名の末娘に懸想してしまったのだ。「まあ、すてきすてき!」俄然、縁結びに燃える姫君。だが、ここにも田沼意次の魔手が…。家康より拝領の「水無瀬駒」を巡る藩命の掛かった知恵比べ。加えて貞操の危機も。めだか姫はいかにして立ち向かうのか。文庫書き下ろし。

退屈姫君第三弾。題名だけ見れば、不倫するのかと思ってしまう。確かに恋に燃えてはいるのだが、恋に堕ちるのは別の人。退屈で堪らないので、身分差のある二人の恋を成就させるべく燃えるのだ。ちなに、めだか姫は嫁いでいるので、本当は姫じゃなくて正室になっているのだけど。

またしても、悪の権化たる田沼意次が敵となる。この憎らしさが堪らない。息子の田沼意知が完璧に馬鹿息子になっているのは少し可哀想であるが。確かに実績は上げているけれども、汚職を肯定する気にはなれないので悪役で結構。どこかの島国にいる、実績も上げずに汚職だけやりたい放題の政治家と比べたら、はるかに立派なんだけどね。

何か事件が起こると目がキラキラと輝いて喜ぶめだか姫だけじゃなくて、根来くの一やデブ棋士、はては将軍様まで、脇役もキャラ立ちする濃い面々ばかりなのが面白い。美形の棋士拓磨と萌姫の恋、どう転んでも身分が違いすぎで成就するとは思えないのだが、どうなるかは読んでみてのお楽しみ。

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