ISBN:4344014502 単行本 有川 浩 幻冬舎 2008/01 ¥1,470
なんだかマイナーなネタであるが、これは阪急今津線利用者には堪らないだろう。宝塚から西宮北口までの、僅か八駅の間に起こる人間模様。駅毎に主人公が代わって行くのだが、同じ車両に乗り合わせているので、他の話の登場人物もチラリと登場したりする。
そして、西宮北口からは折り返して再び宝塚まで。この折り返し部分は、そのまま戻るのではなく、後日譚であるから、数ヶ月後のお話になる。前半で登場した人々が、その後どうなったか描かれる。片道わずか15分の間に、出会いもあれば別れもある。
様々な人物が登場するが、婚約者を寝取られてしまい、披露宴に花嫁以上に美しい純白のドレスを着て討ち入りする翔子さんが格好良すぎる。婚約者の男は阿呆である。
次は宝塚線でやってもらいたいところだが、駅数が多いから大変だろうな(笑)。
ネタバレ注意↓
図書館でよく見かける、好みのタイプの女性が隣に座り、外に見える「生」の文字がきっかけで恋が始まる青年。恋が始まる瞬間を見て辛く感じる純白のドレスを着た美女は、婚約者を地味女に寝取られて、披露宴に討ち入りを果たした直後。その美女をお嫁さんだと勘違いする小さな孫娘と祖母。話しかけられた老婆に勧められて途中下車する美女。それを見かけて常識問題で諍いとなるカップル。男の方はロクデナシ。逆ギレして競馬に行くロクデナシ。それを見て別れたほうが良いと老婆に言われる女。年上の彼氏の馬鹿っぷりでのろける女子高生。たまたま同じ車両に乗っていた、自分と同じ大学に通う女性と意気投合する青年。
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