ISBN:4560720878 新書 岸本 佐知子 白水社 2006/05 ¥966
眠れぬ夜の「ひとり尻取り」、満員電車のキテレツさん達、屈辱の幼稚園時代-。ヘンでせつない日常を、強烈なユーモアとはじける言語センスで綴った、抱腹絶倒のエッセイ集。
気になった部分は、自分で自分の髪をバッサリ切ろうとしている女の子の表紙。中身とは何の関係も無い、ただのイラストだったが。髪がどうなってしまうのかは、表紙を捲るとすぐに判る。中身とは全然関係無い毛ど。
全然関係無い毛どって……。相変わらずMSの某ソフトは電波級の誤変換をしてくれるなぁ。売れなかったお笑い芸人の悪霊でも憑依したのかと思うようなボケっぷりに敬意を表して、あえて修正せずにこのまま置いておく。
名翻訳家によるエッセイなのだが、極めて濃い味付け。適当な人に適当に書かせた日記レベルではないのは幸いであるが、ここまで狙ってネタを作られてしまうと、面白くてもさすがに引いてしまう。
日常なのに普通の人が出会わないような奇想天外事件に遭遇してしまうというのがエッセイの面白さであって、理想的なのは原田宗典。話作ってるんじゃないかと疑いたくなるギリギリのラインを攻められるのは堪らないのだが、ここまであからさまにネタ作られると、エッセイの範囲を超えて小説に片足踏み込んでしまうので反則である。
まあ、チラシの裏にでも書いてくれたら良い様な、どうでもいい個人の日記みたいな三流エッセイを読まされるよりは断然面白いけどね。
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