ISBN:4104744018 単行本 神奈川新聞報道部 新潮社 2005/02/26 ¥1,365
新設校の校長として進めた斬新な学校創りが、教育界に旋風を起こした。全国から見学者が訪れるようになった矢先、突然の末期がん宣告―。教育への熱き思い、迫りくる死の恐怖、支え続けた家族の苦悩…。NHKスペシャルで多くの感動を呼んだ“名物”校長の密着ルポ。
この人って確かテレビでも報道されていた校長先生だよね!? 亡くなったのか……。この手の闘病物は、必ずと言って良い程、死という結末が待っているのでやるせない。ただ、本人の記述ではなく第三者視点だし、最後まで授業を続けた先生の生き様を描いているので、闘病記とは少し違うと思う。
中にはこんな凄い先生もいるのか……。生徒の成れの果てみたいなデモシカ、ウマシカばかりでは無いんだね。最初と最後のほうに、この校長ではない糞教師も少し出てくるけど。こんな先生が身近にいたら、学校不信&教師不信にはならずに済んだかもしれない。
自分が最も性質の悪い胃癌、妻が脳腫瘍、さらに自分が再発と三連コンボ。何でお金と不幸は同じ場所に集まるんだろうね? この方は最後まで腐らず、生徒に命の大切さを教え続ける。迫り来る死の恐怖を克服するためにキリスト教に頼るのだが、悪人で無い者に限って病に倒れがちなこの世界を見る度に、神も仏もあったものか! と思ってしまう。きっと、悪魔ならいるけどね。
神なんてどこにもいない! もし存在したとしても、それは人類が望むようなものではなく、もっと邪悪な何かに違いない。“無限の中核に棲む原初の混沌”“漆黒の闇に永遠に幽閉されるものの外的な知性”“千匹の仔を孕みし森の黒山羊”と呼ばれる様な、とてつもなく恐ろしい……。
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