ISBN:4488012264 単行本 荻原 浩 東京創元社 2007/08 ¥1,890
私は最上俊平、私立探偵である。ペット専門の探偵ではないのだ。ある日、若く美しい女性が事務所を訪れてきた。ペット捜しなら、もう――「うちの猫を捜してほしいんです」はい喜んで。1カ月ぶりの仕事ではないか。しかもそうこうするうち、「ブロンドで青い目の若い」秘書まで雇えることに。え、な、なんだこいつは!? おまけに猫捜しも、ただの猫捜しではなくなっていくのだった……あの名作『ハードボイルド・エッグ』続編!
「ハードボイルド・エッグ」の続編である。荻原浩は単品がほとんどなので、まさかドジで間抜けなハードボイルド気取り探偵がシリーズ化するとは思わなかった。
相変わらずペット探し専門の探偵と化していて貧乏臭い。同じく儲かって無さそうで貧乏臭いバーのマスターJに頼まれ、助手を雇う事になってしまう探偵。「どんな娘だい」と尋ねると「探偵の秘書だぜ。ブロンドで青い目に決まってるじゃないか」と教えられて期待するのだが……。
確かに、ブロンドで青い目である。小汚いけれども、前回の婆さんよりは若いだけマシかもしれない。しかし相当ヤバそうな相手である。残念な事に、婆さんと比べて探偵との絡みが少なすぎる。せっかく強烈なキャラなのだから、このコンビでシリーズ化して欲しいところである。
今回は終盤までペット探しばかり。美女に頼まれロシアンブルーを探していたら、ヤクザからも無理やり依頼されてロシアンブルーを探す事に。身の危険を感じつつ、日本最大の暴力組織に連行されつつ、なんとか猫を見つけ出すのだが、そこに隠された陰謀に気づいてしまう。
コメント