空色のリンク
2008年3月28日 このライトノベルがすごい?ISBN:4094520058 文庫 中里 融司 小学館 2007/05 ¥500
失恋直後に放り込まれた異世界で…!? バレンタインデーに失恋してしまった女子中学生の鈴は、太陽が二つある異世界に引き込まれ、怪物たちに命を狙われていた! 身に覚えのない秘密に翻弄される鈴だったが、そんな中で隠された力が目覚めて…。
天涯孤独の日崎鈴。他の孤児とは違い、親もおらず、完璧に身元不明で保護されて育つ中学生。憧れの先輩に告白しようとした日、空から竜が降りてきて異世界に飛ばされる。ありがちな異世界物かと思ったが、実は地球のほうが異世界だった訳で。多少ネタばれであるが、第一章で明らかとなるので良いでしょう。という訳で、異世界物ではあっても、パターンとしては十二国記型である。
気がつけば、そこは太陽が二つある世界。うーん、月が二つはよくあるけど、太陽二つというのは微妙な設定だなぁ。連星系というのは、惑星を持たないタイプが多く、もし惑星を持つ大型連星系でも、隣にある太陽はそれと認識できる程大きく見えない筈なんですが。太陽系でも、冥王星位離れていたら、恒星は点みたいになっているだろうし。内惑星程度の軌道にしか惑星が無く、その外側には隣の恒星があるようなタイプも、どこかには存在するだろうけど、外周に木星みたいな大型惑星を持たないと、外から飛来する隕石や彗星がダイレクトに降り注ぐので、知的生命体にまで進化するのは至難の業なんですけどね……。まあ、宇宙は広いので、奇跡に恵まれた場所があったのだろうという事で(笑)。
異世界に飛ばされた直後に襲ってくる謎の女は、いつも見る悪夢に出て来た人物だった。なんとか攻撃をかわすものの、周囲に魔法の気配が。現れた大猿兵や軍隊に囚われそうになったところを反乱軍に助けられるのだが、実は自分が異世界へ飛ばされた姫だったという事を知る。
ただの中学生だったのが、参戦して王の軍隊と戦う事になる主人公。いくら主人公が、特殊能力を持つ血統の姫だったとはいえ、普通の女子中学生として生きてきた人物が、そんな活躍するのは不自然というか、物凄くご都合主義というか……。読者ターゲットの年齢層に合わせないといけないという大人事情とはいえ、すごく嘘臭くなっているのが残念。
微妙作だったけど、主人公と入れ違いに異世界に放り込まれてしまい、暗黒竜と融合した元日本人の女竜戦士は格好良い。
このラノベは、主人公姫より竜乙女のほうが素敵です!
★★
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