ISBN:4152089067 単行本 小林 泰三 早川書房 2008/03 ¥1785
科学文明と無縁に育った青年が天空にのびる“天橋立”で出会った女の子は、とびきり可愛い宇宙旅行の案内係だった?無垢な若者が初体験するめくるめく恋と大気圏離脱を描いた表題作、“ロボット工学の三原則”の間隙を突く「灰色の車輪」、男女の権利格差が逆転した社会の秘密を描く「性交体験者」、異星人との驚くべき最悪のコンタクトが語られる「三〇〇万」等、バラエティに富んだアイデアを論理的に突き詰めた、全8篇収録の奇想SF博物館。『海を見る人』に続く傑作ハードSF短篇集。

『海を見る人』ほど奇想天外な異世界っぽいSFではなくて、普通になっている。表題作であり、表紙にもなっている「天体の回転について」は、遥か未来、すでに科学文明が終わってしまい、軌道エレベーターが遺跡化している時代の物語である。科学技術を失い、後退してしまった世界の少年が軌道エレベーターに乗ってしまい、ホログラムとして現れるエレベーターガールに惹かれつつ、そのまま宇宙旅行をする事になってしまう。この話は「宇宙旅行はエレベーターで」を読んでいると、非常に判りやすい。

「銀の船」は人面石の話が出てくるので、すっかり火星探査隊の近未来物だとばかり思っていたら、その結末にしてやられた! 小林泰三らしい作品もあるけれども、『海を見る人』と比べたら無難なものが多いかな?

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