ISBN:4152088184 単行本 ジョー・ホールドマン 早川書房 2007/05 ¥1995
2019年、海洋工学の専門家ラッセルは、海軍提督ハリバートンから奇妙な仕事を依頼された。太平洋の深海で発見された謎の人工物を、軍や政府と関わることなく密かに調査したいというのだ。ラッセルは百万年以上も海底にあったと推測される卵形の物体を、サモア島に引き上げることに成功する。だがそれは、これまでに発見されたどんな物質よりも重い謎の金属でできており、いかなるドリルやレーザーを使っても、構造を調べるどころか、傷ひとつつけることができなかった……。ネビュラ賞、ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア賞受賞作。
他の場所から飛来し、長く活動を続けるうちに、すっかり記憶を無くしてしまった存在は、サメの擬態を止めて陸へと上がる。そして、人間になる事を学び始める。21世紀になって、深海に埋まっていた謎の物体が引き上げられ、調査が始まるのだが、どんな方法を用いても傷ひとつつけられないので、中に何があるのか判らない状況になっている。
擬態を続ける人間ではない何かとは別に、カメレオンと呼ばれる生物が出てくるのだが、そいつも人類社会に入って生活していた。20世紀になって擬態生物が陸へ上がるパートと、21世紀に入って正体不明の構造物が調査されるパートの二つが交互に展開され、さらにカメレオンのパートが加わって行く。
擬態している生物が女の子に変形して科学者に恋してしまったりと、何だか萌え小説みたいな展開もありつつ、カメレオンとの決戦。しかし、このラスト部分が全く盛り上がらない。結局、カメレオンの正体は謎のままだし。
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