ISBN:4101265380 文庫 米村 圭伍 新潮社 2007/12 ¥580
大坂夏の陣で一人の侍大将が落ち延びた。元々は侍でもない彼が、なぜか真田幸村の子と思われて? 豊臣秀頼と真田幸村の子孫が江戸時代に繰り広げる、愛と野心の物語。書き下ろしユーモア時代小説。
単行本「影法師夢幻」の改題。
豊臣家滅亡直後、実は秀頼が生きており、大阪を脱出し船で鹿児島へ逃げるという噂が立つ。大野治長配下の勇魚大五郎は、噂を信じて追いかけるのだが、伊達の猛将、片倉小十郎が徳川方の追っ手として現れる。観念するものの、命は取られずに済み、それから170年後……。
いきなり時代が飛びすぎで驚く。170年も経ったら、秀頼が生きて逃げたとしても、とっくに死んでいるじゃないか。という訳で、出てくるのは秀頼の子孫とか、勇魚大五郎の子孫とかばかり。それも、七代秀頼という感じで、名前が嘘臭い。名乗ってはいるけれども、実は嘘を吐いている子孫もいて、どれが真実なのか判らないままエンディングまで……。
うーん、これはちょっと、あばれ姫や退屈姫と比べて微妙だなぁ。
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