ISBN:4041880025 文庫 鈴木 光司 角川書店 1997/09 ¥560
大都市の欲望を呑みつくす東京湾。ゴミ、汚物、夢、憎悪…あらゆる残骸が堆積する埋立地。この不安定な領域に浮かんでは消える不可思議な出来事。実は皆が知っているのだ…海が邪悪を胎んでいることを。
第115回直木賞候補作。
映画を観る位なら、原作を読んだほうが良い。というより、映画は駄作なので観なくていいと思う。水に絡んだ怖い話の短編集だけど、最初と最後で一つに連なるような感じ。『仄暗い水の底から』として映画化されたのは、この中の短編の一つである。
映画は、映像の薄暗さで安易に雰囲気出そうとしているので、非常に見づらい。水死した(と思われる)子どもが出てくるとこは少しだけ気味が悪いけど、そんなに怖くない。結局、貯水タンクに沈む死体も出てこないし、母親がどうなったかもわからないまま、意味不明のエンディング。黒木瞳が出るという以外に褒める点が見当たらない。
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