九つの、物語

2008年8月21日 読書
ISBN:4087712168 単行本 橋本 紡 集英社 2008/03 ¥1365
大切な人を、自分の心を取り戻す再生の物語。大学生のゆきなのもとに突然現われた、もういるはずのない兄。奇妙で心地よい二人の生活は、しかし永遠には続かなかった。母からの手紙が失われた記憶を蘇らせ、ゆきなの心は壊れていく…。

9話入っているけれども、登場人物は全部同じ。それぞれの話が、各話タイトルとなっている文学作品とリンクする。

最初の話で、突然戻ってきた兄の正体がネタバレする。本来はそこにいてはいけない存在だが、怖くは無いのでホラーではなくファンタジー。いない筈なのに、あまりにも存在感がありすぎる兄がちょっと嘘臭いけれども、芥川賞を受賞したイトヤマ作品と比べたら、許容出来る範囲。

兄の存在だけが非日常だけど、物語自体は淡々とした日常風景か。ゆるい感じだけど、ちゃんとオチがついているので、雰囲気だけで最後にオチ無い恩田陸よりは良い。

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