ISBN:4569556760 単行本(ソフトカバー) 畑山 博 PHP研究所 1997/08 ¥690
世界の大ベストセラー『星の王子さま』をはじめとする魅力的な作品群を残し、四十四歳の若さでこの世を去ったサン=テグジュペリ。彼の実生活における成功と挫折、思想や人間観は、どのような形で作品に現れ、その深い孤独はいかにして『星の王子さま』へと昇華されていったか。本書では、もう一人の“星空詩人”宮沢賢治との類似性を挙げながら、サン=テグジュペリの生涯と物語世界の魅力を余すことなく語り尽くす。

パイロットであり、作家でもあったサン=テグジュペリの人生と心の葛藤が見えてくる。「星の王子様」があまりにも有名だが、他の作品も飛行士を描いた力作揃いだ。著書に触れていなくても、本書で作品がどのような内容であるか見えてくるのが有難い。墜落する話が多い気がするのだが、サン=テグジュペリ自らの運命も、著書と同じ結末を迎えてしまうのが悲劇的である。夜空に消えたままであれば、遺された人々にとってはファンタジーかもしれないが、本人にとっては災難以外の何物でもない。結局、飛行機の残骸が発見されてしまった事で、人々の夢も潰えてしまったし……。

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